2011年08月31日

映画「アンダルシア 女神の報復」感想文



MOVIX清水での観賞です。

パリでのサミットで外務大臣のバックアップをしていた外交官の黒田康作(織田裕二)。そこに日本にいる外務省の安藤康介(鹿賀丈史)から連絡が入り、フランスとスペインの間の小国・アンドラで日本人投資家で警視総監の息子である川島直樹(谷原章介)が射殺体で発見された報告が入り、黒田はパリを離れアンドラに向かう。アンドラでは警視庁からインターポールに出向している捜査官の神足誠(伊藤英明)が事件の捜査にあたっていた。その捜査現場には遺体の第一発見者で川島が取引していた投資銀行の社員の新藤結花(黒木メイサ)の姿があった。当初は押し込み強盗の犯行として処理されようとしていたが、黒田は現場写真からその可能性を否定する。捜査が振り出しに戻る中、新藤が何者かに襲われる。その危機を助けた黒田は、邦人保護の観点から新藤をバルセロナにある領事館へと連れて行き保護を依頼する。

「アマルフィ 女神の報酬」、テレビドラマ「外交官・黒田康作」に続き、真保裕一の小説を基にした織田裕二主演のシリーズ劇場版第2作目となるサスペンス大作。監督さんは「アマルフィ 女神の報酬」に引き続き西谷弘監督がメガホンをとります。主演の外交官役も前作に引き続き織田裕二。作品のヒロインで事件のカギを握る銀行員役に「クローズZERO」の黒木メイサ。事件の捜査を担当する日本人インターポール捜査官役に「カムイ外伝」の伊藤英明。その他に福山雅治、谷原章介、戸田恵梨香らが脇を固めます。

さて邦画でありながら外国を舞台にし、その風景や文化を織り交ぜながら話が進んでいきます。この話で出てくる黒木メイサさんの銀行員、伊藤英明さんの警察官が日本に「何か」を残してきたまま外国にいなければならない背景が如実に表現されています。黒木メイサさんはかなりの好演だったと感じました。織田裕二さんの「外交官・黒田康作」もかなり定着していた感があります。正直今の彼の年齢とキャリアでしたら、「踊る大捜査線」の青島刑事よりはこちらを演じるべきだと個人的には感じます。

外国を舞台にして、製作費もかかっているので映画ということは良く分かるのですが、いかんせん話の筋的には2時間ドラマ的だったかなと言う気はします。アクションシーンも物足りないし、織田裕二演じる外交官をサポートしている、同じく外交官の戸田恵梨香、ジャーナリストの福山雅治らの使い方が、俳優さんのクオリティの割りにやや物足りなさを感じるのが残念です。それから「黒田康作」も、もう少しクールさが強くても良かった気がします。

このシリーズ自体は好きなので、もっと見たいとも思いますが、このような感じだったらテレビでも良いかなと思ったりもします。時間とお金のある方はご覧下さい。


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2011年08月27日

映画「モールス」感想文



TOHOシネマズ浜松での観賞です。

アメリカはニューメキシコ州。雪の降りしきる中、パトカーに先導された救急車が。搬送されているのは頭から酸をかぶり、やけどを負った中年の男だった。男は搬送された病院で刑事(イライアス・コティーズ)が目を離している隙に病院の窓から飛び降りてしまう。その2週間前。自宅アパートの中庭で一人遊ぶ12歳の少年がいた。その少年オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)は学校ではいじめられ、両親は離婚調停中。鏡の前で内なる自分と葛藤し、夜は望遠鏡で隣近所を覗いたりしていた。そんなある日、彼のアパートの隣の部屋に父娘らしき2人が越してきた。彼がいつも通り中庭で一人遊んでいると、少女が突然現れ話し掛けてきた。少女の名はアビー(クロエ・グレース・モレッツ)。歳はオーウェンと同じ12歳だった。オーウェンはアビーの可憐さに惹かれていたが、彼女は友達にはなれないと最初遠ざけるが徐々に距離は近づいていた。そんな中、街では猟奇的な殺人事件が起きていた。殺された人は全身の血を抜かれていた。そしてその事件の現場にはアビーの父親(リチャード・ジェンキンス)らしき人物の姿があった。

スウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」を「クローバーフィールド/HAKAISYA」のマット・リーヴス監督がリメイクしたものです。主演のいじめられっ子の少年役に「ザ・ロード」のコディ・スミット=マクフィー。彼と恋仲になるヴァンパイアの少女役に「キック・アス」のクロエ・グレース・モレッツ。街で起こる猟奇事件を追う刑事役に「キラー・インサイド・ミー」のイライアス・コティーズ。

さてヴァンパイアといじめられっ子の少年の淡い恋心を描いた、ある意味少女漫画チックな作品です。基になったスウェーデン映画は観ていないのですが、こういった雰囲気は嫌いではありません。ある程度ストーリーは見切れてしまうのですが、この雰囲気をどう演出するのか腕の見せ所なのですが、かなり気持ち良く魅せてくれたと思います。それはヴァンパイアの少女を演じた、ややビビアン・スー似のクロエ・グレース・モレッツの力だと言っても過言ではない気がします。しかし最近の子役は洋の東西を問わず実力派が多いですなぁ…。

それでもストーリーが早めに読み切れてしまうのは、評価的にはどうかなとも思いますし、もう一捻りが欲しかった気は否めません。またCGについては非常にお粗末で、冒頭の救急車から見る前のパトカーの映像もCGですが、昭和40年代の日本アニメでももう少しまともなものが作られていたと思います。

12歳のガキで、いじめられっ子もちゃんと色気づくところが良いなと思います。個人的には好きな一本です。時間とお金のある方は是非ご覧ください。


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2011年08月19日

映画「キラー・インサイド・ミー」感想文



静岡シネ・ギャラリーでの観賞です。

西テキサスの田舎町。保安官助手のルー・フォード(ケイシー・アフレック)は真面目の職務に励み、住民の相談にも乗る保安官のボブ(トム・バウアー)からも一目置かれた存在になっていた。ルーはボブより街外れで娼婦宿をやっているジョイス(ジェシカ・アルバ)を街から追い出すよう指示される。大した目立った事もしてないジョイスだったが、町の実力者のチェスター・コンウェイ(ネッド・ビーティ)の息子がジョイスにくびったけだったため、それをやめさせるためのものだった。しかし警告に行ったジョイスの家で、彼女に殴られたルーは逆上し彼女に暴力をふるい、そのまま男女の関係となる。そのままジョイスと付き合い続けるルーだったが、彼には彼の元家庭教師のエイミー(ケイト・ハドソン)と言う恋人がいた。また彼には養子縁組した義兄がいたのだが、チェスターの会社の現場で事故死した。チェスターの会社の労働組合のトップのジョー(イライアス・コティーズ)から、それは巧妙に仕掛けられたチェスター主導の殺しだったと告げられる。ルーの中に恨みが湧き出し、ジョイスを利用してチェスターの息子を殺すことを思いつく。

アメリカを代表するノワール小説の帝王ジム・トンプソンの「おれの中の殺し屋」を映画化したものです。監督さんは「マイティ・ハート/愛と絆」のマイケル・ウィンターボトム監督。主演の保安官助手役にベン・アフレックの実弟で「オーシャンズ11」のケイシー・アフレック。主人公の長年の恋人役に「NINE」のケイト・ハドソン。主人公の人生の岐路に立つ娼婦役に「イントゥ・ザ・ブルー」のジェシカ・アルバ。

さて街で評判のお巡りさんが、連続殺人鬼に変貌していく様を描いた作品です。恐らく1950年代と思われるアメリカの風景がよく表現されています。特にこの時代のアメ車の美しいスタイルは少しうっとりするくらいです。スタイルと言えばケイト・ハドソンとジェシカ・アルバが、そのスタイルの良さをスクリーンに出しています。特にジェシカ・アルバは「イントゥ・ザ・ブルー」でもそのHなラインを出していますが、この作品はかなりきわどいものになっています。

ストーリー的にはかなり不満の残るものとなっていました。本来主人公の内面にある猟奇的な面が表に出てくるといったのは分かるのですが、殺人と言う行動に持っていくそのプロセスがどうも希薄な気がします。何故その結論に達したか?その動機がイマイチ不明瞭な気がします。またクライマックスシーンでCGを使っているのですが、これがかなり昔の映画のように処理がショボいものとなっています。また女性に対する「処理」の方法に嫌悪感を覚えます。

なんかなぁ…、もうちょっとやり方があった気がするんですがね(^_^;)時間とお金のある方はご覧下さい。


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2011年08月18日

映画「くノ一忍法帖 影ノ月」感想文



藤枝シネ・プレーゴでの観賞です。

江戸幕府8代将軍・徳川吉宗(若山騎一郎)は、享保の改革を断行し、倹約・質素な生活を励行していた。一方徳川御三家の一つ、尾張徳川家の当主の徳川宗春(海東健)はそのことに不満を持ち、派手な行いをしていた。苦々しく思った吉宗は腹心の大岡忠相(黒田アーサー)を呼び、宗春に咎めの書状を送った。従順に書状を受け取った宗春だが、その報復に吉宗の紀州時代の愛妾を衆前に晒した。さらに3人の愛妾を晒すよう、宗春は配下の甲賀忍者に命を下した。このことで将軍の権威失墜を恐れた大岡は、残された3人の愛妾を甲賀忍者の手に落ちる前に殺すようお庭番の七溝呂兵衛(仁科貴)に命ずる。呂兵衛は配下の剣(阿部真里)、孤雁(西野翔)、右京(森下悠里)、志摩(宮間梨佳)の4人のくノ一と、助っ人の伊賀忍者の櫓平四朗(弓削智久)に任務の遂行を命ずる。

1960年代に一世を風靡した山田風太郎の伝奇忍者小説「忍法帖」シリーズの「忍者月影抄」を元に映画化したものです。監督さんは「はじめての家出」の菱沼康介。主演の女忍者役に「砂の影」の阿部真里。

基本的に内容はともかくとして、「お色気映画」と言うジャンルがあるのならば、重要と供給の市場の論理はともかく、こういった「お色気映画」を作ろうとする製作側の意欲は買いたいと思います。こういった類の企画モノは、Vシネマやもっと突っ込んだAVなどに行きがちですが、フィルムにして映画館で公開するのは、市場論理が働く今の風潮からすれば、製作するのも公開する映画館も肝っ玉が据わっている気がします。

しかし山田風太郎原作で、グラビアアイドルや今昔の週刊誌や青年誌のヌードグラビアを飾った女性の出演では、内容は推して知るべきものなのですが、それにしてもメインキャラの4人のくノ一の演技レベルが稚拙すぎます。また「夜露死苦」レベルの忍術の名前も観ている側が恥ずかしくなってくる感じがします。

しかし水谷ケイさん、久しぶりに見たなぁ。相変わらずで。時間とお金のある方はご覧下さい。


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2011年08月13日

映画「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」感想文



イオンシネマ富士宮での観賞です。

1969年。アポロ11号は月に降り立った。人類初の月への探査は、隠されたミッションがあった。それは7年前に月に墜落した物体の調査だった。アポロの乗組員はそのパーツの一部を持ち帰っていた。そして現代。二度にわたる悪の金属生命体ディセプティコンとの戦いで活躍したサム(シャイア・ラブーフ)だったが、大学卒業後も就職せずに焦っていた。彼には著名企業に勤めるカーリー(ロージー・ハンティントン=ホワイトリー)と言う彼女がいたが、この彼女に対して自分が無職であることにコンプレックスを持っていた。そして彼と共に戦った相棒のオートボットのバンブルビーはボスのオプティマスと共に政府の任務に駆り立てられていた。そしてオプティマスのもとにある指令が下る。それはウクライナのチェルノブイリ原発で金属生命体が探知されたというものだった。オートボット達は長く共に戦っている米軍のレノックス大佐(ジョシュ・デュアメル)とチェルノブイリに向かい敵をかろうじて撃退するのだが、オプティマスはそこであるものを見つけた。それは過去に故郷の星で使われていた機械の一部であった。

あらゆるテクノロジー機器に変身する金属生命体と人類の攻防戦を描くSFアクション超大作のシリーズ第3弾です。監督さんはシリーズを通してメガホンをとるマイケル・ベイ。主演の戦いに巻き込まれた青年役にこれもシリーズを通して主演しているシャイア・ラブーフ。その恋人役にこの作品で映画デビューのロージー・ハンティントン=ホワイトリー。その他シリーズを通して出演しているお馴染みの役者さんが今回も総出演です。

さて比較的ストーリー性の薄いシリーズで、1作目はシボレー・カマロがかっこいい、2作目がこの作品までヒロインだったミーガン・フォックスの揺れるバストのイメージが強かったのですが、今作は映像の質の高さもさることながら、ストーリー性もかなり向上したと感じられます。様々な「裏切り」行為が話の中に出てきて、同じ種族の中でも信頼が薄れる中、固い信頼で結ばれた主人公たちの結束が観客をストーリーに引きずり込んでいきます。また前作までのように機械の変形にあまりこだわりを持っていない部分も好感が持てます。

あまり考えなくてもいいストーリーはいいのですが、相変わらずツッコミどころは満載です。正直鏡のようなビルのくだりは必要だったのでしょうか?それから非常に個人的な感想で申し訳ないのですが、登場する女性にイマイチ共感がもてないのは私だけでしょうか?

3作目にして非常にスピード感があって考えなくて良く、面白い作品ができたんじゃないかと思います。時間とお金のある方は是非ご覧下さい。


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2011年08月11日

映画「大鹿村騒動記」感想文



シネプラザ・サントムーンでの観賞です。

アルプスのふもとにある長野県大鹿村。ここには300年の伝統が大鹿歌舞伎が存在する。ここで鹿料理を中心とした食堂を営む善(原田芳雄)はその歌舞伎の花形役者。一人で食堂の切り盛りをしていた善だが、彼にはかつて貴子(大楠道代)と言う妻がいたのだが、友人で一緒に働いていた治(岸部一徳)と18年前に駆け落ちしていた。年に一回の歌舞伎の公演が間近に迫った時、貴子と治は村へと帰ってきた。善の前に現れた治は貴子を返すと言い出した。貴子は認知症を患い、少し前のことも忘れてしまい、18年一緒にいた治のことを「善ちゃん」と呼ぶ始末。たまりかねた治は、善に謝罪し貴子を返すと言い出したのだ。貴子と暮らし始めた善だが、その行動には手を焼いた。そして歌舞伎の公演も近づいてきたのだが、そのキャストたちにもリニアモーターカー開業に伴う是非でしっくりこない部分があった。さらには歌舞伎の重要なキャストの一人のバス運転手の一平(佐藤浩市)が事故で重傷を負ってしまう。

長野県の大鹿村に実際300年以上も伝わる「大鹿歌舞伎」をモチーフにした群像喜劇。監督さんは「亡国のイージス」の阪本順治監督。主演の食堂の店主役に「歩いても 歩いても」の原田芳雄。その妻役に「ジャージの二人」の大楠道代。その妻と駆け落ちする友人役に「十三人の刺客」の岸部一徳。その他に三國連太郎,佐藤浩市,石橋蓮司,松たか子,瑛太らが脇を固めます。

さて主人公の原田芳雄さんらをはじめとして、ベテランの俳優さんたちがその持ち味を発揮してます。原田芳雄さんは荒々しい表向きとは裏腹に人を傷つけないようにする優しさが見える絶妙の演技ですし、岸部一徳さんはその演技の引き出しの多さに感心する次第です。また田舎歌舞伎とは言うものの、その世界にいる松たか子さんの裏方の自然さはさすがだなと感じます。

ただキャラクター個々のエピソードは非常に浅いなといった印象を持ちました。主役の人たちはその演技力と「映る」時間の長さでキャラクターを充分感じることができたのですが、性同一障害のお兄ちゃんや松たか子さん演じる役場の職員、また瑛太さん演じる郵便局員などの様々な思いがもう少し表現されても良かったかなと思います。大鹿村歌舞伎のシーンは外せないのは理解できるのですが、もう5分長くしてここを充実させても良かったのではと感じます。

亡くなった原田芳雄さんの演技、これも亡くなった忌野清志郎さんのエンディング曲、かなり心に響きました。時間とお金のある方は是非ご覧ください。


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2011年08月01日

映画「ショパン 愛と哀しみの旋律」感想文



静岡シネ・ギャラリーでの観賞です。

ロシアの圧政のもとにあったポーランドのワルシャワ。すでにピアニスト・作曲家として名声を得ていたショパン(ピョートル・アダムチク)は、ポーランドを統治していた大公の傲慢さに嫌気がさし、父の助けもあってワルシャワを逃れる。最初に住んだウイーンを後にし、彼はパリへとやってくる。しかしパリでの彼の評判は散々なものであり、ショパンは失意の中にあった。しかし社交界の中で力を持つ伯爵夫人の目に止まり、ショパンの評判は徐々に上がっていった。そんなパリの社交界の中で、ショパンは女流作家ジョルジュ・サンド(ダヌタ・ステンカ)の目にとまる。彼女の一癖ある経歴や行動に警戒心を持ったショパンだが、彼女の献身的で情熱的な愛情に彼の心は一気に開かれる。そして才能も開花し数々の名曲が生み出される。しかしショパンに夢中になるジョルジュの姿に息子のモーリス・サンド(アダム・ヴォロノヴィチ)や娘のソランジュ・サンド(ボジェナ・スタフーラ)は嫉妬心を覚えるのであった。

ピアノの詩人と謳われたショパンと彼と10年弱を共に過ごした女流作家ジョルジュ・サンドとの物語です。ポーランド映画のため監督さんや出演者さんなど、日本に馴染みのある方はほとんどいません。監督さんはイェジ・アントチャク。ショパン役にピョートル・アダムチク。女流作家役にダヌタ・ステンカ。この人は「カティンの森」にも出演されています。

まずはなんと言っても音楽。この作品には数々の曲が使われていますが、映画「戦場のピアニスト」でも演奏したポーランドのピアニストのヤーヌシュ・オレイニチャク、日本のショパンの名手でもあるピアニスト横山幸雄、チェロではヨーヨー・マが演奏しています。映画そのものは、ショパンと言うより、その愛人のジョルジュ・サンドとその子供たちを中心に動いていくような感じです。女としての愛、母親としての愛を両立していこうとするジョルジュ・サンドと、母親への愛と憎しみがいろんな形で噴出してくる子供たちの姿が表現されています。

しかし芸術家の生涯と言うのか、私生活はどうしてこんなグダグダなものが多いのでしょうか?最もマトモなら映画にはならないわけですが…。とにかく登場人物に共感できない部分が多いんですよ。ショパンは病弱で悲劇的なイメージがありますが(まぁ実際若い時から長年肺結核を病むのですが)、どうも全体的に子供っぽいんですよね。それから構成的にショパンとジョルジュ・サンドが出会う時のシチュエーションと内面の動きがどうもよく分からない部分があります。何故この二人くっついちゃったんだろう?みたいな感じなのですが…。

目を瞑って音楽だけ聴いていると寝てしまいそうになりました。時間とお金のある方はご覧下さい。


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