2011年04月24日
映画「アレクサンドリア」感想文

MOVIX清水での観賞です。
4世紀のエジプトはアレクサンドリア。ローマ帝国の支配下の中のエジプトでもこの都市は文化的に高い位置にあった。哲学者でもあり天文学者でもあったヒュパティア(レイチェル・ワイズ)はその美貌と高い教養で弟子たちに慕われていた。弟子のオレステス(オスカー・アイザック)は彼女に求婚していたし、ヒュパティアの家の奴隷のダオス(マックス・ミンゲラ)は、彼女の講義を手伝っているうちに高い教養を身につけていた。その当時のアレクサンドリアは旧来のエジプトの宗教やユダヤ教、キリスト教が入り混じっていたが、キリスト教の勢力が大きくなっていた。キリスト教徒と古くからのエジプトの神をあがめる人たちの間でいざこざが発生し、キリスト教徒は古いエジプトの神を冒涜した。怒った人々はキリスト教徒に武力で訴えるが、数で勝るキリスト教徒は反撃に出て、古いエジプトの宗教を信じる人たちを、街の象徴でもある図書館に追い詰める。
ローマ帝国末期のエジプトを舞台に、宗教と科学の間で翻弄された女性天文学者ヒュパティアの数奇な運命を描く歴史ドラマ。監督さんは「アザーズ」のアレハンドロ・アメナーバル監督。主演の女性天文学者役に「ナイロビの蜂」のレイチェル・ワイズ。主人公の奴隷の役に「ソーシャル・ネットワーク」のマックス・ミンゲラ。主人公の弟子で後の街の長官役に「ワールド・オブ・ライズ」のオスカー・アイザック。
高い知性を持ち、その忠実な科学性を追い求めたゆえに非業の死を遂げる女性天文学者ヒュパティアの姿を、様々な役柄をこなすレイチェル・ワイズが情熱的に、またある種可愛げが無く演じています。また現在でも続いている宗教紛争が、すでにここら辺から始まっているという根の深さも見え隠れしています。また作品中に出てくる夜空も、4世紀の星空を分析して再現しているあたりも監督さんのこだわりが感じられます。
ただ作品全体の空気は重苦しく、ラストシーンやその後に出てくるクレジットもあまり良い気分になるものではありません。主人公の生き方がそういったものなのですので仕方ないと言ったら仕方ないのですが…。また作品中に主人公がコペルニクスの地動説やケプラーの惑星の楕円軌道、さらにはニュートン力学にまで言及してくるんですが、ちょっと行き過ぎのような気がするんですがね。まぁ実際の彼女はそこまで考えたかもしれませんが。
結構自由に科学できる「現代」は、かなりいい時代なんでしょうなぁ…。時間とお金のある方はご覧下さい。
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