2012年04月27日

第6回しみず寄席、開催されました



去る4月21日(土)、はーとぴあ清水にて「第6回しみず寄席」が開催されました。

今回のご出演は桂枝太郎師匠と三笑亭可女次さんのお二人です。「しみず寄席」としては初めての芸協の噺家さんのご出演になります。
今回はFacebookで清水落語王国の一国民が「懇意」にしている枝太郎師匠をということで会が実現しました。
また東日本大震災から1年、昨年もチャリティー寄席を開催いたしましたが、今年もその気持ちを忘れぬよう「東日本大震災復興支援」と言う形で行うこととなりました。

桂枝太郎師匠は岩手県奥州市のご出身。震災でご家族が被災されたこともあり、震災ボランティアを積極的に行っています。また、古今亭駿菊師匠が代表を務める「今そこ演芸団」での活動も行っています。この会でも芸協の記念誌をたくさん送っていただき、その売上とご協力いただいた義捐金を全て「今こそ演芸団」に寄付させていただきました。

さて今回も100名近いお客様にお集まりいただきました。本当にありがとうございます。
お二人には二席づつ演じていただきました。

三笑亭可女次さんは「秘伝書」と「紀州」。「秘伝書」は上方の落語家さんが良く演じる噺ですね。「紀州」は初めて聴きました。また「紀州」の後には踊りも披露して下さいました。可女次さんは地元静岡県の磐田市のご出身。これからも応援して行きたいと思っています。

桂枝太郎師匠は「不動坊」と「幾代餅」。「幾代餅」は震災復興の話をされるときに良く演じられるとのこと。二席とも先輩落語家さんの話題を織り交ぜながら進行していきます。二席終わった後の抽選会とチャリティーオークションでは本当に盛り上げてくださいました。枝太郎師匠とお会いできたのも何かのご縁。これからも「今こそ演芸団」に私たちも協力していきたいと思っています。

今回の「しみず寄席」は若手の落語家さん二人と言う構成でお送りいたしました。「若さ」故にやや心配な部分はありましたが、お二人の熱演で払拭されました。これからも若い落語家さんを応援していきたいと思っております。

ご来場いただきましたお客様、本当にありがとうございました。これからも清水落語王国の落語会をよろしくお願いいたします。


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2012年04月26日

映画「僕達急行 A列車で行こう」感想文



TOHOシネマズららぽーと磐田での観賞です。

大手不動産会社の社員の小町(松山ケンイチ)は、音楽を聴きながら列車の車窓から風景を見るのが好きな鉄道オタク。そして鉄工所の跡取り息子の小玉(瑛太)は列車の構造やそこから発する音を楽しむのが好きな鉄道オタク。そんな二人がわたらせ渓谷鉄道で初めて出会う。そこでは言葉を交わすことは無かったのだが、小町は住んでいたマンションを急に越さねばならなくなり、物件を探している途中で小玉と再会する。すっかり意気投合した二人。とりあえず小町は小玉の会社の社員寮に居を構えることになる。鉄ヲタの二人もちゃんとした社会人。勤める会社の方針にしっくりこない小町。父親の哲夫(笹野高史)の経営する鉄工所の資金繰りが上手くいかない小玉。そんな中、小町は小さいことにクレームをつけるところが社長の北斗(松坂慶子)の目にとまり、不良物件と業績が伸び悩む九州支社にてこ入れ要員として異動を命じる。まだ乗ったことの無い鉄道路線がある九州への転勤に喜々とする小町。一方小玉には見合い話が持ち上がる。お互いに良い印象だった見合いだが破談となる。傷心の小玉は博多の小町のところにやってきた。そして九州での鉄道旅行で、九州の大手食品会社社長の筑紫(ピエール瀧)と出会う。

鉄道マニアの男二人が友情を築き、仕事に恋愛にと精いっぱい生きる姿を描くコメディー・ドラマ。監督さんは昨年12月に急逝した「失楽園」の森田芳光監督。主演の鉄道オタク役に「カムイ伝」の松山ケンイチと、「ワイルド7」の瑛太。九州の食品会社の社長役に「」のピエール瀧。不動産会社の社長役に「」の松坂慶子。

森田芳光監督の遺作となった作品です。まず全体的に鉄道の景色の良いロケーションで撮影されているところが、元鉄ヲタの自分としても嬉しいところです。特に転車台のある蒸気機関車の車庫跡なんか最高です。脚本や演出としてもオタクらしい仲が良いにも関わらずよそよそしく喋るところも良いなと思います。趣味には情熱的に行動するが、女にはからきし弱いところも一般像のオタクらしさが出ています。松山ケンイチも瑛太も最近重厚な作品が多かったせいか、こういった軽い作品になんかホッとしたりもします。

基本的に鉄道を少しディープに入った人なら理解でき、テンションが上がる部分も興味が無い人だと面白さがかなり減少するかもしれません。森田監督はこういった「オタク映画」の可能性を見出したようですが、ターゲットを外すと訳わからない人もいるかもしれません。カップルで観に行って、女性が鉄道に理解がないとそうなるかなと思います。まさに映画の出だしで松ケンがフラれるシーンがそれかも知れません。またやや演出過多かなと思うところもあります。伊東ゆかりさんの「小指」のくだりは必要ありません。

個人的には安心して観れて、趣味の部分も突いて来る好みの一本です。森田監督の近年作は比較的微妙なものが多かっただけに、いい作品を最後に残してくれたなと思います。鉄道に少しでも理解があって、時間とお金のある方は是非ご覧下さい。


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2012年04月23日

映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」感想文



TOHOシネマズ浜松での観賞です。

売店に牛乳を買いに現れた老女。店の店員もその他の客も、彼女が元英国首相マーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ)だとは誰も気がつかなかった。夫のデニス(ジム・ブロードベント)に先立たれ、娘の看病のもと彼女は認知症を病んでいる。自宅にいるときは夫の幻影に翻弄されつつも、過去を回顧するときもあった。彼女は食料を主とした雑貨商の娘として生まれた。父親のアルフレッド・ロバーツ(イアン・グレン)は市長をするような政治色の強い人で彼女もその影響を多大に受けた。24歳で下院議員選挙に出るも落選。そのころ知り合ったデニスと結婚し、双子を授かる。そして結婚三年後の選挙で当選する。政治家の道がひらけた彼女は、その中でめきめきと頭角を現していく。しかしその一方で家庭を犠牲にしてきた。1970年から教育科学相を務めるようになったが、その内閣のもと選挙で保守党は大敗を喫してしまう。その後の保守党の党首選挙でマーガレットは立候補することを決意する。夫のデニスや娘は反対するが、周囲の保守党の支援もあり彼女は党首に選ばれる。そしてその後の選挙で、サッチャー党首のもと、保守党は経済の回復と小さな政府の公約を掲げ、選挙に大勝する。そして英国史上初の女性首相マーガレット・サッチャーが誕生する。

あのソ連をして「鉄の女」と言わしめた英国憲政史上初の女性首相マーガレット・サッチャーの半生を描いた人間ドラマです。監督さんは「マンマ・ミーア!」のフィリダ・ロイド監督。主演の元女性首相役に「マディソン郡の橋」のメリル・ストリープ。その夫役に「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」のジム・ブロードベント。

さて現代英国史を語る上で外すことのできないマーガレット・サッチャーを描いたドラマですが、何と言ってもこの作品でアカデミー賞主演女優賞を取ったメリル・ストリープの演技に尽きると思います。現役首相時や病気と闘う今の姿まで、年齢と共に話し方など、変化に富んだサッチャー女史の姿を見事に演じています。また夫役を演じたジム・ブロードベントとの絡みも微笑ましかったり、ギスギスしたりして、なんか良い夫婦関係だったんじゃないかなと思います。

ただ映画そのものの出来としては?マークが付くような気がします。サッチャー女史の何を伝えないのかがイマイチ希薄な気がします。夫との仲なのか、彼女の実績なのか、伝記的なものなのか、どれをとっても中途半端な感じがします。メリル・ストリープの強烈な演技であまり目立たない気はするんですがね。

フォークランド紛争がまたキナ臭くなっている今ですが、あの時の事を少し思い出しましたね。時間とお金のある方は是非ご覧ください。


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2012年04月16日

映画「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」感想文



TOHOシネマズ名古屋ベイシティでの観賞です。

1960年代、アメリカの南部ミシシッピー州。「奴隷」と言う言葉は使われなくなったが、相変わらず黒人への差別はひどいものがあった。黒人の女性たちは「メイド」として白人の家庭に入り、家事の手伝いをしていた。子守りはその中で大事な仕事の一つでもあった。メイドは自分の子供を他人に預け、白人の子供の面倒を見ていた。その街の若い女性たちは結婚&出産ブーム。しかし子供はメイド任せで母親としての愛情が不足していた。その中の一人スキーター(エマ・ストーン)は都会の大学から戻ってきて無職、しかも男っ気が無かった。友人のヒリー(ブライス・ダラス・ハワード)は知り合いの男性を紹介しようとしたが、彼女はまず仕事をすることが先決だった。地元の小さな新聞社に何とか就職し、家庭欄の質問コーナーを担当するようになる。そこで友人の家のメイドで家事に詳しいエイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)の知恵を借りることにする。元々メイドに大事に育てられ、大学で北側の差別の無い空気を感じたスキーターは黒人女性に対しての差別感が全く無かった。そんな中ヒリーの家でメイドをしていたエイビリーンの親友ミニー(オクタヴィア・スペンサー)が、ヒリーが普段使うトイレを使用したと言うことで解雇されてしまう。メイドたちの処遇に憤りを感じたスキーターは、メイドたちの声を本にし出版することを決意し、エイビリーンに協力を求めるが、自分の立場を危惧し難色を示される。

1960年代、人種差別が横行していたアメリカの田舎町に変化をもたらした実在の女性たちについて記したベストセラー小説を映画化した人間ドラマ。監督さんはメジャー作品では初めてメガホンをとるテイト・テイラー。主演の作家やジャーナリストを志望する若い女性役に「ゾンビランド」のエマ・ストーン。彼女に協力するメイド役に「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」のヴィオラ・デイヴィス。その友人のメイド役に「7つの贈り物」のオクタヴィア・スペンサー。彼女はこの作品でアカデミー賞助演女優賞を獲得しています。黒人差別をエスカレートしていく主人公の友人役に「ターミネーター4」のブライス・ダラス・ハワード。白人であるにも係わらず仲間外れにされる女性役に「ツリー・オブ・ライフ」のジェシカ・チャステイン。

さて肌の色に対する差別を取り上げています。この重たく奥底に存在しつづける「問題」を、ただ重たくだけでなく、コミカルにも仕上げています。また肌の色だけでなく、貧困層出身の白人に対する差別も取り上げています。比較的女性ばかりが出てくるこの作品で、女性特有の感情と言うのが溢れ出しているのが感じ取られます。またラストシーン。この悲しいにも関わらず、清々しささえ感じられるラスト。個人的にはほぼ完璧なラストシーンでした。

しかし基本的に長さを感じさせます。話を終結させるために必要なエピソードだとは思いますが、やや終わり際がしつこい気がします。また下ネタが少し多いかな。本来が重たいテーマなので、これくらいのストレートなガキっぽい笑いも目をつぶろうと思いますがね。

アメリカだけでなく、人の心の中に少なからず存在している色んな感情が凝縮されている一本だと思います。時間のある方はご覧下さい。


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2012年04月15日

映画「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」感想文



藤枝シネ・プレーゴでの観賞です。

1890年代。ヨーロッパはフランスとドイツの対立で緊張感が増していた。そんな中ヨーロッパ各地で爆弾テロが頻発していた。世論では革命家や愛国者の仕業かと騒がれていたが、ロンドンの名探偵シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)は違った見解を持っていた。変装して市場で張っていたホームズは旧知の女性アイリーン(レイチェル・マクアダムス)が通りがかり、後をつける。アイリーンを護衛していた男たちに邪魔されるも、彼女が取引していた現場にたどり着く。そこはオークション会場で、彼女が運んでいたものは爆弾であった。オークション会場での爆発を阻止したホームズは、そこで一通の手紙を手に入れる。それは女占い師のシム(ノオミ・ラパス)宛てに彼女の兄が送った手紙であった。一方結婚式を翌日に控えていた助手で医師のワトソン(ジュード・ロウ)は、介添え人をホームズに頼んでいたため、彼の家を訪れた。他人を茶化したようなホームズの部屋だったが、そこでワトソンはヨーロッパの爆発事件も含めた世界中の事件が、ある一人の人物によって起こされているホームズの見解を聞かされる。その人物こそ高名な学者であり、英国首相の親友でもあるジェームズ・モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)だった。そしてホームズはワトソンを連れ、彼の結婚の前祝いと称し、シムが占いをしている社交クラブへと向かう。

シャーロック・ホームズと助手のワトソンがある事件を裏で操る最強の敵との死闘を繰り広げるアクション・ミステリーの第2弾。監督さんは前作に引き続き「リボルバー」のガイ・リッチー。主演の探偵役に「アイアンマン」のロバート・ダウニー・Jr。その助手役に「マイ・ブルーベリー・ナイツ」のジュード・ロウ。宿敵の学者役に「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のジャレッド・ハリス。ジプシーの女占い師役に「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のノオミ・ラパス。

さておなじみコナン・ドイル原作の探偵モノをアクション映画に変貌させたこのシリーズは賛否がありますが、個人的には悪くないと思っています。紳士的なホームズは、やや「汚い」感があるロバート・ダウニー・Jrに、そして太ったおじさん的イメージのあるワトソンはジュード・ロウと「動ける」役者を使って、昔のヨーロッパを舞台にしたアクションものを確立できた感じがします。第2弾のこの作品もそこのところは裏切っていません。推理モノからすると反則的な黒幕を最初にばらしてしまい、ストーリーを単純なものにしたのも、作品の色をアクションに振っているからだと考えます。

しかしストーリーを簡素化したにもかかわらず、中盤までの話の動きが非常に分かりづらくなっているのが残念です。こういった作風だからある程度の「説明的」セリフは容認されると思うのですが、視覚的効果でそれを観る側に理解させようとする感じがあるんですよね。それに見る側がうまく呼応できればいいのですが、そうでないとどんどん置いて行かれる感じがするんですよね。それも含めて全体的に視覚的効果に溺れているような向きがあります。

映像も話の進み方も少し慌ただしいかな。時間とお金のある方はご覧ください。


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2012年04月09日

映画「戦火の馬」感想文



MOVIX清水での観賞です。

1900年代初頭のイギリス。大地主の小作人として働くテッド(ピーター・ミュラン)は馬のセリで一頭のサラブレッドに目を奪われる。もともと農耕馬を落札にきた彼だったが、彼の地主とのセリで予算を大きくオーバーしてその馬を落札する。馬を連れ帰宅したテッドは妻のローズ(エミリー・ワトソン)に罵られるが、息子のアルバート(ジェレミー・アーヴァイン)は非常に喜んだ。アルバートはこの馬が生まれたときから目を奪われていたのだ。調教を買って出たアルバートは、この仔馬を「ジョーイ」と名付けた。彼は気性の荒いジョーイをだんだんと手の内に入れていった。しかしジョーイを落札した金額がテッドの一家に重くのしかかってきた。地主は支払いができなければ、馬を引き揚げ、小作人としての関係も断ち切ることを通告してきた。テッドは地主に対して、荒れた土地を耕し、そこに農作物を植え、それを売った金で借金を返済することを申し出、受諾される。しかし岩がごろごろしているその土地を耕すのは困難を極めた。アルバートはジョーイに農器具を引かせようとするが、もともとそういった作業に向かないサラブレッド。しかし苦難の末、その土地を耕すのに成功する。しかし大雨がその土地になった作物を全部ダメにしてしまう。そんな中、第1次世界大戦が勃発する。イギリスはドイツに宣戦布告し、若者は戦地に向かうため次々と志願していく。そして打つ手を失ったテッドは、アルバートに黙って青年将校にジョーイを売りに出す。

1982年にマイケル・モーパーゴが発表し、舞台版は第65回トニー賞で5部門に輝いたイギリスの小説を映画化したものです。監督はおなじみ「宇宙戦争」のスティーヴン・スピルバーグ。運命の馬を調教する少年役に新鋭のジェレミー・アーヴァイン。その父親役に「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」のピーター・ミュラン。母親役に「脳内ニューヨーク」のエミリー・ワトソン。

さて馬関係の映画を観るのは「シービスケット」以来です。競馬好きな自分としては戦場に行く馬の話ですので、やや二の足を踏んでいた部分があったのですが。競馬のいろんなエピソードを聞いたりして思うのは、馬が走る舞台でもそれを感動付けるのは人間物語であると言うことです。この話も戦場で翻弄される馬たちに関わる人間たちの短いストーリーがふんだんに盛り込まれています。戦争という人間が殺し合う中でも、個の人間は決して争うことを好むのがすべてではないことが、主人公とも言える馬の周囲で起きてきます。また作品の序盤と終盤では、昔懐かしい西部劇をちょっと連想するような演出を使っているのがスピルバーグの「映画好き」が垣間見られて良いなと感じます。

しかし登場人物のエピソードが宙ぶらりんになってる感じがして、観終わった後やや不完全燃焼感が残りました。例えば物語の中盤で出てくる、フランスの祖父と孫娘のエピソード。孫娘の両親は結局何故「いなくなった」のか?何故祖父は伝書鳩の話をしたのか、そのたとえ話の裏付けとなる彼の体験とは?話の筋としては大して重要ではないことは理解するのですが、そこまで突っ込まれて何故そこでうやむやになってしまうのよ、みたいなエピソード不足がある気がします。

スピルバーグのSFじゃない大作はやや重たい感じがあるのですが、題材と言い個人的には良かった一本だなと思います。時間とお金のある方は是非ご覧ください。



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2012年04月05日

映画「おかえり、はやぶさ」感想文



シネマサンシャイン沼津での観賞です。

JAXAの「はやぶさ」プロジェクトチーム。イオンエンジンを担当しているエンジニアの大橋健人(藤原竜也)はかなりの自信家で度胸もあった。とっさの判断でトラブルを多々解決してきたのだが、そんな彼の行動に嫌悪感を抱くものもいた。また彼の父親の大橋伊佐夫(三浦友和)は火星探査機の「のぞみ」のプロジェクトリーダーでその計画の失敗を感じ、表舞台に出てこなくなってしまった。その「のぞみ」の失敗を取り返すべく、プロジェクトリーダーの江本智彦(大杉漣)らの必ず成功させるという強い意思のもと、2003年5月「はやぶさ」は打ち上げられた。ほぼ順調に小惑星「イトカワ」まで到着した「はやぶさ」だが、そこから困難の道が続いていった。そして健人と仲の良いJAXA職員の岩松大吾(田中直樹)の家庭にも危機的状況が訪れる。

小惑星イトカワからのサンプルリターンを成功させた小惑星探査機「はやぶさ」のストーリーを、それに関わるJAXA職員らのストーリーを交えて構成した作品です。監督さんは「鴨川ホルモー」の本木克英監督。主演のJAXAエンジニア役に「カイジ 人生逆転ゲーム」の藤原竜也。その父親役に「沈まぬ太陽」の三浦友和。はやぶさのプロジェクトリーダー役に「ジーン・ワルツ」の大杉漣。JAXAの女性職員役に「忍たま乱太郎」の杏。

さて小惑星探査機はやぶさの成功に際して3本の映画が続けて公開され、その最後を飾る作品となりました。他の2作品とは異なり、かなりドラマ仕立ての作風となっています。しかしそんな中でも冒頭の大杉漣さん扮するプロジェクトリーダーが話す「成功しなければこの国では認めてもらえない」という言葉が、最後までこのプロジェクトを人間の知恵を結集して意地でも成功させるというチームの執念が見受けられます。そして対比的に自信家の主人公が探査機との通信が途絶えた時に諦めの気持ちが見え、そこからモチベーションを上げていく辺りが見所でしょうか。

しかし個人的には正直嫌いな演出が目立ちました。本木克英監督は「釣りバカ日誌」のメガホンも取っているのですが、同じ松竹のせいなのか似たような演出が見られたんですね。「釣りバカ日誌」ではこういった演出も作風でOKだと思うのですが、ここでやってしまうのは如何なものでしょうか?正直観ているこちらが恥ずかしくなってきてしまいました。

3つの作品すべて観たのですが、共通してJAXAの広報担当の教授が文部科学省の役人に予算のお願いをするシーンが出てきます。彼らの言いたい事は意外とここだったのかもと思ってしまいました。時間とお金のある方はご覧下さい。


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2012年04月03日

映画「ダーク・フェアリー」感想文



静岡シネ・ギャラリーでの観賞です。

ロスからやってきた少女サリー(ベイリー・マディソン)。空港には彼の父親のアレックス(ガイ・ピアース)と現在付き合っている彼女のキム(ケイティ・ホームズ)が迎えに来ていた。そう、サリーの両親は離婚していたのだった。母親に預けられていたサリーは、その日から父親に預けられることになったのだ。三人は郊外にある大きな屋敷に住んでいた。建築デザイナーとして借金があるアレックスは、インテリアデザイナーのキムとともに、歴史あるこの屋敷の改装を手掛け世間に躍り出ようとしていたのだった。その事に躍起になっているアレックスは娘のことが良く見えておらず、キムも彼氏の連れ子に二の足を踏んでいた。母親に捨てられて、新しい環境にもなじめないサリーは孤独感をさらに強めていた。ある時庭を探検していたサリーはふとしたきっかけでその屋敷に地下室があることを発見する。屋敷の中から地下室にたどり着いた三人は、そこがかつてこの屋敷に住んでいた画家のアトリエであることを知った。そしてその地下室には一つの鉄の覆いをされた穴があった。そこから不思議な声が聞こえてくることにサリーは気がついた。その声はサリーに助けを求めるものだった。サリーはアレックスとキムの目を盗み、その覆いを取り外しに地下室へと向かう。

欧米で言い伝えられてきた歯の妖精「トゥースフェアリー」をモチーフに、郊外の古めかしい屋敷に引っ越してきた孤独な少女とその家族が体験する恐怖を描くダーク・ファンタジー。映画「パンズ・ラビリンス」の鬼才ギレルモ・デル・トロが脚本と製作を務め、テレビ映画「地下室の魔物」をリメイクしました。監督さんはこの作品が劇場映画初監督のトロイ・ニクシー。屋敷に巣くう妖精に狙われる少女役に「テラビシアにかける橋」のベイリー・マディソン。その父親役に「英国王のスピーチ」のガイ・ピアース。その恋人役に「バットマン ビギンズ」のケイティ・ホームズ。

さて子供の歯と骨を好むと言うやや悪趣味な妖精たちに襲われる人間たちを描いていますが、その妖精たちも怖いのですが、主人公の少女が置かれた環境も怖いものがあります。本当の両親は娘のことに目が行かず、彼女に目を向けてくれたのが、彼女に心を開いて欲しがっている本来は他人の父親の彼女というところが話をせつないものにさせていきます。またギレルモ・デル・トロらしい何とも言えないラストも何だかせつないものになっています。

しかし全体的にやや小粒なホラー映画みたいな感触は否めません。一件の家の中ですべてが進行し、出てくるキャストも少ないため、「予算少ないの?」なんて変な勘繰りの一つも入れたくなるような感じです。またもちろんCG処理の「悪い妖精」達ですが、練った感があまり感じられず、本当に子供の絵みたいでした・デザインだけでも「パンズ・ラビリンス」ばりの考えられたものが欲しかった気がします。

最後でこの悪い妖精の正体がなんとなく見えた感じがします。時間とお金のある方はご覧ください。


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