2013年05月31日

映画「モネ・ゲーム」感想文



TOHOシネマズ名古屋ベイシティでの観賞です。

ロンドン在住の美術学芸員のハリー(コリン・ファース)は、ボスで億万長者のシャバンダー(アラン・リックマン)に見下されて何とか見返したいとずっと思っていた。そこでハリーはシャバンダーが所有する一枚のモネの絵画を使った詐欺を計画する。シャバンダーが所有する、オークションで日本人と競り合って落札したモネは一対の絵画だった。もう一枚の絵はナチスの高官が所有していたが、高官の家に突入したアメリカ軍の兵士に持ちだされた可能性が高かった。それを偶然ハリーが発見し、シャバンダーに買い取らせる算段だった。もちろんそれは本物ではなく、ハリーの友人のネルソン元少佐(トム・コートネイ)が描いた贋作だった。ハリーの計画はさらに海を渡ることになる。彼はナチ高官の家に突入した米軍兵の孫娘である、テキサス在住のPJ・プズナウスキー(キャメロン・ディアス)を仲間に引き入れる。彼女が祖母と写った写真の背景にくだんのモネが映りこんでいる写真を撮影する。スムーズの詐欺が進行することを思い浮かべるハリーだったが、現実は甘くはなかった。まずはハリーが想定したよりもシャバンダーがモネの絵に食いついてこなかったのだ。シャバンダーはテキサスの片田舎のトレーラーハウスにある絵が本物だとは信じなかったのだ。さらにハリーの苦難は続く。アメリカから呼び寄せたPJがハリーの指示も聞かず、非常に社交的にシャバンダーと接し、シャバンダーと必要以上に親しくなってしまったのだ。さらにはシャバンダーが、問題の絵画の真贋を見極める鑑定士をハリーではなく、ドイツ人のマーティン(スタンリー・トゥッチ)に依頼したのだった。

犯罪コメディー「泥棒貴族」をリメイクしたものです。監督さんは「終着駅 トルストイ最後の旅」のマイケル・ホフマン監督。やや冴えない美術鑑定士役に「英国王のスピーチ」のコリン・ファース。その協力者のアメリカ女性役に「メリーに首ったけ」のキャメロン・ディアス。詐欺の対象になる億万長者役に「ハリー・ポッターと謎のプリンス」のアラン・リックマン。

さて憎きボスをやり込めて大金を手にしようとする鑑定士が、想像したようにうまくいかない様を描いたコメディーです。基本的に下ネタというか、裸で笑いを取る手法は古今東西変わらない面白さだと言うことがわかります。高級ホテルをズボンを無くし、上着を着てパンツを丸出しにし歩く様や、ハリーポッターのスネイプ先生を演じたアラン・リックマンさんがすっぽんぽんで出てくる様子、キャメロン・ディアスさんの下着姿など、その方向で笑いを取るコントタッチの手法は、普通に面白いと思います。それからやや年齢的なものが否めないキャメロン・ディアスさんですが、さすがラブコメの女王、きっちりと役柄にはまり込んで、こんな感じのキャメロンは良いなといった感じを持たせてくれます。また日本人が出演してきますが、日本人とはいえ中国系の役者さんを使うハリウッドのあるあるに逆らって、一部ではありますが伊川東吾さんなどの日本人の役者さんを使ってくれているのがありがたく思います。

ただ落としどころがどうなんでしょう?どんでん返しと言うにはあまりに弱い気がします。「えー!実はそうだったの?!」と思うよりも、「なるほどね。そう言うからくりか。」と言うような冷静な感じで自分は受け止めてしまいました。また個人的に評価した「裸の笑い」は苦手な人はただ苦笑するだけだと思います。

帰りにキャメロン演ずるアメリカ娘の手に持った飛行機のチケットが英国航空のものであることを見逃しませんでした。金が無いんだったらBAじゃなくでデルタ航空を使えよ。ダラス~ロンドンは飛んでいるんだし。まぁともかく、90分くらいの映画としては自分はそこそこ面白いなと思いました。時間とお金のある方は是非ご覧ください。


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2013年05月25日

映画「L.A.ギャングストーリー」感想文



MOVIX清水での観賞です。

第2次大戦が終わり、米兵たちも祖国に帰っていった。そんな一人ジョン・オマラ(ジョシュ・ブローリン)はロサンゼルス市警で巡査部長として働いていた。その頃のロスはユダヤ系のギャングであるミッキー・コーエン(ショーン・ペン)が街を牛耳っていた。その力は警察や市の有力者、果ては司法の中にまで及んでいた。しかし正義感の強いジョンはコーエンを全く恐れず、一人でコーエンの経営する売春宿に乗り込み壊滅させたりもしていた。やはりコーエンの存在を憎むロス市警のパーカー本部長(ニック・ノルティ)はジョンを呼び、ある指令を下す。それは正義感を持った警官隊を組織し、秘密裏にコーエンの組織を壊滅することであった。警察官のバッジを外し、表彰もされず、記録にも残されないと言う影の存在であった。ジョンは妻のコニー(ミレイユ・イーノス)の助けもあってジョンのほか5人の警官をセレクトした。しかしその中の一人で、犯罪組織に詳しいジェリー・ウーターズ(ライアン・ゴズリング)は、コーエンの組織が大きく残虐なことを熟知しているため首を縦に振らなかった。それにジェリーはコーエンの愛人であるグレイス・ファラデー(エマ・ストーン)に一目ぼれし、コーエンに隠れて付き合っていたのだ。しかしコーエンの経営するショーパブの前で、コーエンと対立する勢力との銃撃戦の中、目の前で旧知の靴磨きの少年が撃ち殺されたのをきっかけにジェリーはジョンの仲間に加わる。盗聴のプロのキーラー(ジョヴァンニ・リビシ)が仕掛けた盗聴器での情報をもとに、ジョンたちは次々とコーエンの資金源を潰していったのだが…。

ポール・リーバーマンによる実録ルポを基に、実在のギャングのミッキー・コーエンと市警との壮絶な抗争を描いたクライム・アクションです。監督さんは「ゾンビランド」のルーベン・フライシャー監督。主演の正義感の強い市警の警官役に「メン・イン・ブラック3」のジョシュ・ブローリン。同じく組織犯罪を専門とする警察官役に「きみに読む物語」のライアン・ゴズリング。街を仕切るギャングの首領役に「ミスティック・リバー」のショーン・ペン。その愛人役に「アメイジング・スパイダーマン」のエマ・ストーン。

さてギャングと警官の仁義なき戦いとも言うべき作品になっています。ギャングどもをやっつけるために警官たちもギャング化して対決すると言った何とも荒っぽい設定なのですが、そのおかげで基本的にわかりやすい展開になっています。そんな中で恋愛あり、家族愛あり、手法に疑問を呈するものあり、押さえるところはきちんと押さえてあるなと感じます。またキャスティングもなかなかのもので、主役のジョシュ・ブローリンは不器用で骨っぽい感じが出ていますし、ライアン・ゴズリングは柔軟性があるヤサ男らしさが出ています。ショーン・ペンはやはりその力を出していたなと思いますね。しかしこの人、いろんな役をやりますなぁ。あと脱獄シーンの「お約束」のギャグも笑えましたが、そんなユーモアもあったと思います。

しかし話の流れとしては時々スムーズでないところが感じられました。あまり裏がなく、出てきたシチュエーションをそのまま受け入れていけばいい流れなのに、何故か途中で流れが止まってしまうような感覚になるんですよね。もう10分短くしてたたみ掛けるような展開でも良かったのではないかと思います。それから敵キャラ、もう少し歯ごたえがあってもいいんじゃないかと感じます。

エンドロールの背景のアメリカンコミックの背景のようなロスの街並み、良いなぁ。最近ロスに行って見たいなぁと結構思うんですよね。R15なのでそれなりに残虐なシーンはあるのですが、結構面白かったと思います。時間とお金のある方は是非ご覧ください。


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2013年05月24日

映画「藁の楯」感想文



イオンシネマ富士宮での観賞です。

排水口で少女が無残に殺される事件が発生した。DNA鑑定から少女を狙った殺人事件を過去に起こした清丸国秀(藤原竜也)が容疑者として浮上した。そして新聞にある広告が掲載された。それは清丸国秀を殺した者に10億円を謝礼として支払うと言ったものだった。10億円の出元は財界の大物である蜷川隆興(山崎努)。殺された少女は蜷川の孫娘だったのだ。福岡に潜伏していた清丸だったが、彼を匿っていた男に命を狙われることとなる。身の危険を感じた清丸は福岡の警察に出頭した。警視庁は福岡から清丸を護送するための特別チームを編成した。本体なら要人を警護するSP班から銘苅一基(大沢たかお)と白岩篤子(松嶋菜々子)の2名のSP、そして捜査一課から奥村武(岸谷五朗)と神箸正貴(永山絢斗)の2人の刑事、そして福岡県警から関谷賢示(伊武雅刀)の合計5人のチームだった。しかし彼らが福岡に入ってからも清丸の命は狙われ続けていた。ついには留置所の看守に狙われたり、その際に傷ついた清丸の治療に関わった看護師までもが彼の命を狙ってきたのだった。訓練を受け武器を持った、本来身内である警察官までもが信用できない状態となり、さらには日本にいる人間全てが信用ならない状態となっていた。そんな中、護送は始まる。いくつものダミーを配した護送計画だったが、蜷川が用意したインターネットのサイトには清丸の位置が正確に示されていた。この情報を知りうるものはごくわずかだった。結果5人の間にも疑念が生まれてくる。

「ビー・バップ・ハイスクール」で知られる漫画家の木内一裕氏の小説家としてのデビュー作品を映画化したサスペンス・アクション。監督さんは「悪の教典」の三池崇史監督。主演の犯人を護送するSP役に「終の信託」の大沢たかお。同じくSP班からチームに加わった女性SP役に「ゴースト もういちど抱きしめたい」の松嶋菜々子。少女を狙う連続殺人犯役に「カイジ 人生逆転ゲーム」の藤原竜也。その殺人犯に高額な懸賞金をかける財界の大物役に「おくりびと」の山崎努。

さてそんなに短くはない映画なのですが、そんなに長さを感じなく観ることが出来ました。全く油断できないシチュエーションが観る側も緊張させます。全体的に実力のある役者さんたちを配しているのですが、犯罪者役の藤原竜也さんには改めて良さを感じましたね。劇中にも表現されている「人間のクズ」を憎々しいまでに見事に演じていると思います。この作品の中で一番難しい役どころではないかと思ったのですが、三池監督がこの決して好印象でない役に彼を起用したのは大正解な気がします。それから圧倒的に悪役が多い伊武雅刀さんですが、この作品では年長者の良心を感じる役でした。ヤマトやスネークマンショーの頃からのファンなので、こう言った起用をされるとうれしく思います。

まぁこれは三池演出の特徴でもあるとは思うのですが、表現に対してあまり容赦をしない部分があります。個人的にはギリギリOKじゃないかなとは思うのですが、人によってはやりすぎ感があると思います。それから表面的な描写が強烈なので、裏で作品が訴えたい部分が非常に見えづらい感じはありますよね。それに連動してなのかもしれないのですが、主役のSPさんの真意ってのがいまいちわかりづらいんですよね。それからラストシーンももう一つ物足りなさを感じました。

まぁ人によって評価は様々だとは思うのですが、個人的には三池作品らしくて面白かったと思います。時間とお金のある方はご覧ください。


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2013年05月21日

第3回しみず寄席Jr.開催のお知らせ



第3回しみず寄席Jr.のお知らせです!

若手落語家さんの一人会として始まりました「しみず寄席Jr.」。「しみず寄席Jr.」は前売り1,000円と言うリーズナブルなお値段に設定し、気軽にお越しいただけるようになっております。時間的にも早く終わると思いますよ。
それからチケットの枚数はわずかになるかもしれませんが当日売りもする予定です。当日売りは1,500円でお願いいたします。

さてそんなしみず寄席Jr.も第3回を数えました。ほぼ1年ぶりに開催される今回のしみず寄席Jr.は落語協会所属の二ッ目、鈴々舎馬るこさんをお招きいたします。
馬るこさんは山口県のご出身。
2003年に鈴々舎馬風師匠に入門いたします。2006年に二ッ目昇進。
2011年にさがみはら若手落語家選手権に優勝されています。
古典から新作まで爆笑系のネタを幅広く繰り出し、ギターなどの小道具を使った新作も話題です。
ストレートな笑いをぜひ清水でお楽しみください。

第3回しみず寄席Jr.の詳細は次の通り。
日時:2013年6月15日(土) 開場は18:30 開演は19:00
場所:はーとぴあ清水 6階 多目的ホール 
 静岡市清水区宮代町1-1 (JR清水駅西口徒歩3分・清水税務署筋向い)

全席自由席 前売り1,000円 当日売り1,500円(当日売りの枚数は状況により変わります。お問い合わせください。)

チケットはすでに発売しております。

次のお店で販売しています。

○清水区
シミズブックス 静岡市清水区真砂町4-24 
ベイプレスセンター 静岡市清水区青葉町3-13
combi(コンビ) 静岡市清水区袖師町1877-66

○葵区
喫茶じゅげむ 静岡市葵区上石町2-9

順次、販売店を増やしていきたいと思います。そうしたらこのブログでお知らせしますね。

直販、当日販売に関してのお問い合わせはメールか、事務局にお電話をください。

メールアドレスは次の通りです。
shimizurakugo@mbn.nifty.com
(一部設定により件名や本文が文字化けするケースが報告されています。その場合は文字化けした部分を削除して下さって構いません。)

お電話は事務局にお願いいたします。
054-351-0511
(株式会社ベイプレスセンター内)
土日祝日は留守番電話の対応となります。
お電話をしていただきますと、ベイプレスセンターさんにかかります。「落語会についての問い合わせです」とお伝えください。
この件について詳しい担当者の方が不在な場合は、折り返しお電話させていただきます。

どうぞよろしくお願い申し上げます。


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2013年05月20日

映画「ラストスタンド」感想文



MOVIX清水での観賞です。

メキシコと国境を接するアメリカ西南部の田舎町。この街で保安官を務めるレイ・オーウェンズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)は皆から信頼される存在だ。非番だったレイは朝食をとりに立ち寄った店で長距離トラックに乗った二人を見かけ声をかけた。二人はレイが保安官だと知るとあわただしく店を出て行った。不審に思ったレイは副保安官のフィギー(ルイス・ガスマン)とジェリー(ザック・ギルフォード)にトラックの照会を行わせた。不審な点は見つからなかったものの、そのトラックの二人は街の郊外の農場で事件を起こす。一方ラスベガスでは一つの大きなミッションが行われようとしていた。それは原題の麻薬王で、逮捕拘束されているガブリエル・コルテス(エドゥアルド・ノリエガ)を移送することだった。FBIのジョン・バニスター(フォレスト・ウィッテカー)は万全の態勢をもってミッションに臨んでいたが、かなり大胆な方法でコルテスを逃がしてしまう。そしてコルテスは捜査官のリチャーズ(ジェネシス・ロドリゲス)を人質に1000馬力のコルベットZR1を駆って逃走を図る。コルベットは南下をしていき、メキシコに逃走することは明白だった。しかし国境はかなり厳重な警備になっていて、国境突破は難しいと思われていた。一方レイの街では郊外の牧場主の死体がジェリーと同じく副保安官のサラ(ジェイミー・アレクサンダー)によって発見される。捜査を始めたレイたちだったが、牧場の隅で怪しい男たちが作業をしているのをジェリーとサラが発見する。そして銃撃戦がはじまり、撃たれたジェリーは命を落とす。そしてバニスターからコルテス逃走の連絡を受けたレイは牧場に接した国境の渓谷に橋を掛け、コルテスを逃がす計画であることに気が付く。

カリフォルニア州知事を退任したアーノルド・シュワルツェネッガーが、久々の単独主演を果たしたアクション映画です。監督さんは「甘い人生」のキム・ジウン監督。主演の田舎町の保安官役に「コマンドー」のアーノルド・シュワルツェネッガー。若き麻薬王役に「バンテージ・ポイント」のエドゥアルド・ノリエガ。麻薬王逮捕の指揮を執るFBI捜査官役に「レポゼッション・メン」のフォレスト・ウィッテカー。

さてシュワルツェネッガー復帰作です。基本的に設定が単純で上映時間も短いシンプルなアクション映画です。ガンアクション、カーアクションとも満載で普通にスクリーンを見て面白いと感じると思います。ブランクがあるとはいえ、シュワちゃんの存在感と言うのは格別なものがあります。劇中のセリフにもありますが、やや衰えや全体的に小さく見える感は否めませんが、相手の前に立った時の姿勢や銃を放つときの間の取り方など、やはりシュワルツェネッガーらしさを感じさせます。やっぱりアクションスターでいきたいのかなと感じさせられます。

ただやたらと血飛沫が飛ぶ演出は、リアルではあるとは思うのですが万人受けではないような気がします。せっかくのシュワちゃん復帰作なのですから、もう少しきれいな映像でも良かったかなと思います。まぁライオンズゲートらしいですが。あとはコルベットZR1が妙に詳しく解説されていたな。冒頭と終盤に出てくる赤いカマロも含めてシボレーのステマかと思ったりしてしまいます。

姑息な演出や脚本を使わずにストレートに勧善懲悪で行ってくれています。考えなくていい、スクリーンに映っているものをそのまま楽しめばいい一本に仕上がっていると思います。時間とお金のある方は是非ご覧ください。


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2013年05月17日

映画「リンカーン」感想文



イオンシネマワンダーでの観賞です。

再選された第16代合衆国大統領エイブラハム・リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)。しかし彼の心中は穏やかではなかった。彼の悲願である奴隷解放は、1862年の奴隷解放宣言によって達せられたと思ったが、それで開放された奴隷はごくわずかであった。そして泥沼化していく南北戦争という内戦。国民から高い支持を受けているリンカーンにとって、真の奴隷解放と南北戦争の終結は一刻を争うものだった。再選されて2ヶ月目の1865年の1月。リンカーンは合衆国憲法第13条の修正案に着手した。それを1月末までに可決することにしたのだ。憲法の修正案は下院で全体の3分の2の票を得ないと可決できない。それは民主党の票も取り込まないと可決できない数字だった。共和党の大統領であるリンカーンは表立ってその懐柔策をとれなかった。国務長官ウィリアム・スワード(デヴィッド・ストラザーン)ら側近はロビィストを使い、次期選挙で落選しそうな民主党議員の懐柔を始めた。その一方で共和党内も一枚岩ではなかった。大統領と距離を置く共和党の下院議員タデウス・スティーブンス(トミー・リー・ジョーンズ)や保守派のブレストン・ブレア(ハル・ホルブルック)らも説得しなければならない状況だった。大統領には他に悩みもあった。家庭内がギクシャクしていたのだった。三男を病気で失ったリンカーン家は妻のメアリー(サリー・フィールド)がそれにより情緒不安定になっていた。ハーバード大学院生の長男ロバート(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、現状に憂い北軍に志願すると言い出した。三男を失い、長男まで失いかねない状況にメアリーは夫であり合衆国大統領であるリンカーンを責めはじめる。しかし奴隷解放に政治家としての信条を貫き通すリンカーンは、それらの困難に立ち向かう。

奴隷解放に政治生命をかけた第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンの伝記ドラマです。監督さんはおなじみ「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」のスティーヴン・スピルバーグ監督。主演のアメリカ大統領役に「NINE」のダニエル・デイ=ルイス。その婦人役に「アメイジング・スパイダーマン」のサリー・フィールド。長男役に「50/50 フィフティ・フィフティ」のジョセフ・ゴードン=レヴィット。急進派の下院議員役に「ノーカントリー」のトミー・リー・ジョーンズ。

さてアメリカ大統領の中でも比較的なじみのあるリンカーン大統領のお話です。とは言っても奴隷解放宣言、南北戦争、暗殺と言った教科書的なキーワードでリンカーンを知るレベルの人がほとんどでしょう。この作品では日本人が比較的知らない政治家としてのリンカーン、ユーモアセンスを持ち、人並みに家庭問題に頭を悩ます姿が映し出されています。個人的には女房に対して「普通にキレる」姿は自分の中のリンカーン像には無い新鮮と驚きをもって見ていました。また当然なのですが、その時代の政治家はリンカーン一人ではないわけで、その他の政治家もいる訳です。特にトミー・リー・ジョーンズさん扮する共和党急進派の下院議員の姿は非常に印象的でしたね。

ただ映画そのものとしてはやや抑揚が無く、フラットな感じでほとんどが進行していってしまいます。スピルバーグ監督のこの手の映画はこんな感じが多いような気がします。今日はやや疲れてはいたのですが、3回ほど寝落ちしてしまったことを告白いたします。基本的には作りとしては良いとは思うのですが、ややインパクトが薄い印象があるんですよね。アカデミー賞をはじめとした賞レースの審査員の評価が全てではないと言うのは確信しているのですが、主演男優賞が取れて作品賞が取れない理由がここにあるような気がします。

わが国でも憲法改正の議論があります。現行憲法が現状にあっているとは全く思いませんが、ただ「憲法」と言うものが国の規律の中でどういった位置にあり、どのような気持ちを持ってそれに望まなきゃならないかを少し考えさせてくれる一本のような気がします。時間とお金のある方はご覧ください。


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2013年05月13日

映画「ジャッキー・コーガン」感想文



TOHOシネマズららぽーと磐田での観賞です。

アメリカのある街。ジョニー(ヴィンセント・カラトーラ)は街のチンピラのフランキー(スクート・マクネイリー)とラッセル(ベン・メンデルソーン)に強盗計画を持ちかけた。彼が企てた強盗計画は街の賭場を襲う計画だった。その賭場では過去に強盗があった。それは賭場の胴元であるマーキー(レイ・リオッタ)が仕掛けた自作自演であった。ジョニーはマーキーが胴元の日に同じように強盗事件が起これば、真っ先に疑われるのはマーキーで、自分たちには手が及ばないと考えたのだ。かくして強盗事件は起こり、それは成功する。街の裏の有力者であるディロン(サム・シェパード)の代理人である通称ドライバー(リチャード・ジェンキンス)は、優しい殺し屋を自称するジャッキー・コーガン(ブラッド・ピット)に事件の裏側を調べるように依頼する。ディロンらマフィアだけでなく、ジャッキーもマーキーが犯人だと思っていた。ジャッキーは部下を使ってマーキーを締め上げたが、マーキーは実行犯の名前を言わなかった。しかし思わぬところから情報が入ってくる。ラッセルが薬物売買をするために雇った売人がディロンの部下だったのだ。ラッセルはその部下に強盗の実行犯が自分であることをしゃべってしまったのだ。そのことからジョニーら三人の名前が浮上してくる。ジャッキーは事件に関わったマーキーとジョニーら三人を殺すことを決める。

裏社会に生きる男たちの生きざまを描くとともに、経済危機にひんしたアメリカ現代社会の闇を映し出すクライム・サスペンスです。監督さんは「ジェシー・ジェームズの暗殺」のアンドリュー・ドミニク監督。主演の殺し屋役に「マネーボール」のブラッド・ピット。マフィアの代理人役に「アウトロー」のリチャード・ジェンキンス。主人公がニューヨークから呼び寄せる殺し屋役に「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェームズ・ガンドルフィーニ。過去の出来事から強盗の嫌疑をかけられる賭場の胴元役に「きみがくれた未来」のレイ・リオッタ。

さてブラッド・ピット扮する殺し屋が、強盗事件の裏側を暴き出し関係者を皆殺しにするという、あんまり穏やかではない内容なのですが、主人公の思い込みで事件の概要を見誤ったり、計画したことがうまく運ばなかったりして、外見的なかっこ良さとはうらはらな部分が見え隠れするところがあります。信用してニューヨークから呼んだ殺し屋が、全く使えないダメオヤジになっていたのだが、何とかやる気を出させようとしているところなど、観ていてニヤリとする部分もあります。また時々出てくるスローの映像などは、シーンの残虐さをきれいに見せていたりもします。また最後で主人公が代理人に吐く言葉、なるほどなと思わせます。アメリカの姿を一言で言い当てていると思いますね。

ただストーリーそのものは特に盛り上がる部分も無く、アクションと言うよな派手なシーンも無い、比較的フラットに話が進んでいく感じがします。また舞台設定がやや未熟で、全体像を理解するのに少々手間取ります。さらに全体的な話のつながりがやや唐突感があるんですよ。結果以前の過程がややはしょられていて、どうしてその結果になったのか良くわからなかったりもします。

まぁ基本的にブラピ様をご覧になる映画なのかなって思ってしまいました。時間とお金のある方はご覧ください。


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2013年05月11日

映画「相棒シリーズ X DAY」感想文



シネプラザ・サントムーンでの観賞です。

ビルから落下した死体。被害者はそのビルに入る都市銀行のシステム開発担当の中山雄吾(戸次重幸)だった。現場検証にやってきた伊丹刑事(川原和久)ら捜査一課の面々。その現場に一人の若い男が訪れる。彼はサイバー犯罪対策課の岩月彬(田中圭)だった。岩月は動画投稿サイトに謎のデータをアップしたことで中山を追っていたのだ。そのデータは中山が自分が勤める都市銀行の内部資料を流出させたものらしかった。しかしその動画はアップするも、すぐさま削除依頼がでて削除される、イタチごっこを繰り返していた。伊丹は中山の死の原因にこのデータが関わっているものと読み、勤める都市銀行を捜査する。中山の上司と言う朽木貞義(田口トモロヲ)と言う室長が対応したのだが、中山がアップしたデータはシステム障害の対応マニュアルだと答えた。しかしその応答に違和感を感じた伊丹は、朽木にそのデータの提出を求める。だが朽木が提出してきたデータは、中山がアップしたデータとは似て非なるものだった。事件は次第に大掛かりな捜査体制となり、捜査一課にサイバー犯罪対策課やさらには捜査二課までが関わるものとなった。そしてひょんなことから伊丹は岩月とコンビを組み捜査することとなる。一方政府は新たな法案を国会に提出しようとしていた。それは主に海外からのサイバーテロを防止するためのものであり、ネットの動きを全て国が監視できるものであった。総理補佐官の片山雛子(木村佳乃)は財務省の戸張弘成(別所哲也)より法案のための勉強会を開催すべきとの進言を受ける。今まで法案に関心を示さなかった財務省が、いきなり関わってきたことに違和感を持った片山は、警察庁の神戸尊(及川光博)に勉強会への参加を打診する。

人気テレビドラマ「相棒」に登場する面々が、熱血型の刑事を中心に事件に立ち向かう刑事ドラマです。監督さんは「探偵はBARにいる」の橋本一監督。主演の古風な熱血型刑事役に「BROTHER」の川原和久。コンビを組むサイバー捜査官役に「レンタネコ」の田中圭。勤め先の銀行のデータを流出し殺された銀行員役に「カラスの親指」の戸次重幸。その上司役に「GANTZ」の田口トモロヲ。恋人役に「感染列島」の国仲涼子。

さて人気刑事ドラマの「相棒」のスピンオフ作品ですが、ドラマではうるさ型で詰めの甘い特命係2人と何かと対立する川原和久さん演じる刑事が話の中心となってきます。川原さんの刑事はドラマでのキャラを活かしつつ、内面にある人の良さや、犯罪を憎む正義感がかなり前面に押し出されていて、良いキャラクター作りをしてきていると思います。そういったある意味古風な刑事が、ネットや経済に関わる現代風の犯罪に出くわしたところをフォローするのが新キャラの田中圭さん演じるサイバー捜査官です。畑も性格も違う2人が「相棒」として、新キャラのサイバー捜査官が古風な刑事に誘導されるように熱い心を発揮していく様が面白く感じます。それから田口トモロヲさんと川原さんの捕り物劇。2人ともそんなことする年齢ではないと思うのですが、力の入るシーンが撮れたと思います。また個人的に好きだったミッチー演じる神戸尊が見られたこともうれしく思いました。

ただ難しさもあると思います。少し経理をかじればわかる内容だとは思うのですが、やや専門用語が多いかなと。また話の筋もあまりよく練られているとは感じられません。相棒の映画はテレビシリーズの繊細さに比べて大味な感じにはなるのですが、なんか方々の詰めに甘さがあると思います。それから特殊効果なんですが、全体的にやりすぎな気がします。箱が開いて中身がばら撒かれるシーン、ビックリ箱ポン!かと思いました。それから肝心の落ちなのですがどうもすっきりしない感じがします。

「笑っていいとも!」に川原和久さんが出演されたときの若い頃にしていた塗装職人だった話、本当に面白かった。何となく伊丹刑事の職人気質なところがダブる気がします。時間とお金のある方はご覧ください。


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2013年05月08日

映画「アルゴ」感想文



シネプラザ・サントムーンでの観賞です。

1979年。前年から混乱状態にあったイランは、1月にパーレビ国王が亡命し、イラン国民の精神的指導者であるホメイニ師が亡命先のフランスから帰国し、イラン革命が成立していた。民衆のパーレビ国王に対する反感はすさまじいものがあり、末期がんを患っていた国王をアメリカで治療することが決まると、国家と民衆の怒りの矛先はアメリカへと向けられた。テヘランのアメリカ大使館には民衆が押し寄せ、塀を乗り越えて大使館内に押し寄せてきた。大使館ではイラン政府や警察に民衆の鎮圧を依頼したが、その要請を受け入れることは無かった。多数のアメリカ大使館員が人質となり拘束されたが、6人のスタッフが外に出る通路から脱出していた。6人はカナダ大使の私邸に逃げ込み、大使も彼らを匿っていた。イラン当局はそれに気が付いていなかったが、発覚するのは時間の問題だった。カナダ政府からも長期の保護はできない旨を打診してきており、アメリカ政府としても6人を秘密裏にイラン国内から脱出させる作戦を練っていた。作戦の主導は国務省が行っていたが、人質救出の専門家としてCIAのエージェントであるトニー・メンデス(ベン・アフレック)がスタッフとして招かれた。様々な作戦が浮かんでは消えていく中でトニーが考えた作戦は実に奇抜なものだった。カナダ製作の映画のスタッフとして6人を偽装させ、テヘランから民間機で脱出させると言ったものだった。作戦として動き出すにあたり、トニーは旧知のハリウッドの特殊メイク専門家のジョン・チェンバース(ジョン・グッドマン)を介し、映画プロデューサーのレスター・シーゲル(アラン・アーキン)と共にでっち上げ映画「アルゴ」のキャンペーンを派手に行った。雑誌にも取り上げられた「アルゴ」の実績を持ったトニーは、イラン国内でのロケハンと称しテヘランへと赴く。

1979年のテヘランで起きたアメリカ大使館人質事件と、その裏で敢行されたCIAによる救出作戦の行方を追い掛けるサスペンス映画です。製作・監督・主演をこなしたのは「消されたヘッドライン」のベン・アフレック。ハリウッドの特殊メイクアーティスト役に「人生の特等席」のジョン・グッドマン。大物プロデューサー役に「ゲット スマート」のアラン・アーキン。主人公の上司役に「ドライヴ」のブライアン・クランストン。

さて映画のスタッフとしてイランから脱出させるという突拍子も無い作戦内容に一瞬コメディーを想像させますが、実際は非常に緊張感のある張り詰めた作品に仕上がっています。ある意味現在以上に反米感情が強かったあの当時、アメリカ人であることが知れること事態が非常に危険な中、テヘラン市内を連れて歩き、厳重な警戒の空港から脱出する、そんな息を呑むような緊張感が作品の後半を支配し続け、クライマックスではそれに時間的余裕も無くなっていく、そんなドキドキ感も加わってきます。全体的に緊張感のある作風と言うのは個人的には好きですし、そんなに長い作品で無いと言うのも好感が持てます。それからあの時代の何ともいえないファッションが懐かしく感じます。

ただやはりアメリカ寄りの演出過ぎますな。昔の戦争映画のドイツ兵がアホばっかりみたいな感じで、偏った感じが否めません。アカデミー賞のプレゼンターとして大統領夫人が起用されたのは偶然かもしれませんが、何となく政治的ないやらしさを感じてしまうなぁと実際に映画を観て思ってしまいました。それから脱出シーンではスイスエアのボーイング747が登場してきますが、あの室内はジャンボのものではありません。そう言ったところのディティールはちゃんとして欲しいなと旅客機ファンは思ってしまいます。

まぁそういったあたりを考慮しても面白い映画だったと思います。時間とお金のある方は是非ご覧ください。


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2013年05月04日

映画「DRAGON BALL Z 神と神」感想文



MOVIX清水での観賞です。

魔人ブウとの壮絶な戦いから数年後。界王神(声:三ツ矢雄二)と東の界王(声:八奈見乗児)は密かに39年ぶりに破壊神ビルス(声:山寺宏一)が眠りから覚めたことを話し合っていた。界王の星に修行にやってきていた孫悟空(声:野沢雅子)はその話を聞いてしまう。宇宙一強いビルスの存在を知った悟空は、界王の心配をよそにビルスと手合わせすることを楽しみにしていた。一方目覚めたビルスは身の回りの世話をするウイス(声:森田成一)に、フリーザによる惑星ベジータの破壊が完了したか問いかける。ウイスはミッションが完了したことを報告するが、フリーザがスーパーサイヤ人となった悟空に倒されたことを告げた。ビルスは驚いた。ビルスは39年の眠りの間にスーパーサイヤ人ゴッドと名乗る男と互角の戦いをした夢を見ていたのだ。ビルスはゴッドと戦うために目覚めたのだった。まずは孫悟空が東の界王の星にいることを突き止め、その星へ向かった。破壊神ビルスの出現にとまどう界王をよそに、ビルスは悟空にゴッドの存在についてたずねたが、悟空はその存在を知らなかった。さらに悟空は静止する界王の意見も聞かずビルスに戦いを挑んだ。快諾したビルスと激しい戦いが続くも、最後にはスーパーサイヤ人3にまでなった悟空はあっさりと敗れてしまう。ゴッドの存在を突き詰めるビルスは、ベジータ(声:堀川りょう)や孫悟飯(声:野沢雅子)らが住んでいる地球へと向かった。その頃地球のカプセルコーポレーションでは、ブルマ(声:鶴ひろみ)の誕生日パーティーが盛大に行われていた。

「週刊少年ジャンプ」で連載され、日本のみならず海外でも圧倒的人気を博す大ヒットコミックが原作のアニメシリーズ「ドラゴンボール」の最新劇場版です。監督さんは「シャム猫/ファーストミッション」の細田雅弘監督。主人公の声に「ドラえもん のび太の宇宙漂流記」の野沢雅子。主人公と戦う破壊神役に「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」の山寺宏一。

さてかなり初期の段階から原作者の鳥山明先生が製作に関わってきたということでも注目の一本であります。全体的に破壊的に強いキャラクター達の普段がシャイでお間抜け、また完全お間抜けなキャラたちが、大真面目に間抜けなことをやる「鳥山ワールド」がここで健在であることが個人的にホッとします。それからネタバレを恐れないで言えば、この作品の素晴らしいところは基本的に「誰も死なない」「街は壊されない」と言うことに尽きると思います。「ドラゴンボール」のシリーズに限らず、最近のアニメは簡単に死に、簡単に街が破壊されていきます。魔女ものだってそういった傾向が見られます。壮絶な戦いを演出しながら、「誰も死なない」「街は壊されない」と言ったコンセプトはアニメーションの未来に非常に重要な一石を投じたのではないかと私は思うわけです。また出来るだけオリジナルの声優さんたちがご出演されているのも、昭和のアニメオタク的には安心するんですよね。結構最近は新しい敵キャラとか出てくると安易に有名な若手俳優さんなどを使う傾向があるではないですか。チョイ役のゲストキャラはともかく、大事なものはきちんと本職の声優さんが声を演じているのが非常に好感が持てるんですよね。

個人的には90分前後の濃いエッセンスだけを残していて、そこも良いなとは思うのですが、物事が順調に運びすぎる傾向は否めないと思います。それからアニメのDBでは、結構主人公側がコテンパンにやられて、そこから巻き返していくプロセスがやや足りないかなと自分も思いました。どっぷり浸かったやや年齢のいったドラゴンボールファンが「なんかちょっと」と思うのはそんな部分があるのかもしれませんね。

新キャラもなかなか味があって良いと思いますし、コンセプトには個人的に非常に共感を覚えます。時間とお金のある方は是非ご覧ください。


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2013年05月01日

映画「ジャンゴ 繋がれざる者」感想文



MOVIX清水での観賞です。

南北戦争の直前、テキサス州で数人の奴隷が繋がれて歩いていた。奴隷商人につれられた彼らの前に、一人の白人男性が現れる。Dr.キング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)と名乗るその男は、奴隷の中にある農場で働いていた者を探していた。一人の奴隷がその農場で働いていたことを告げる。ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)というその奴隷はシュルツによって助け出された。シュルツが彼を助けた理由はお尋ね者のブリトル三兄弟の顔をジャンゴが知っているからだった。シュルツは元歯医者だったが、今は賞金稼ぎになっていたのだった。奴隷制度に異を唱えているシュルツはジャンゴを奴隷として扱わず、相棒として扱った。こうして南部アメリカでは異色な賞金稼ぎのコンビが誕生する。そしてジャンゴにもブリトル三兄弟には恨みがあった。彼は妻のブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)と共に働いていたが、ブリトル三兄弟はブルームヒルダに鞭打った挙句、夫婦がバラバラになった原因を作ったのだった。二人はテネシー州のある農場に三兄弟がいることを突き止めた。ジャンゴとシュルツは彼らを殺すことに成功する。その後ジャンゴに射撃の素質を見つけたシュルツは、彼を本格的に相棒として賞金稼ぎを行っていく。時にはつらい場面もあったが、彼らは順調に仕事をこなしていく。冬が過ぎ暖かくなった頃、二人はミシシッピー州の奴隷市場にいた。ここで売られたであろうブルームヒルダの行方を捜すことであった。そしてミシシッピーの大農場主であるカルビン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)に売られたことを突き止めた。しかし容易に奴隷を手放さないであろうキャンディにシュルツは一計を案じる。

19世紀中期のアメリカ南部を舞台に、かつて奴隷だった男の妻奪回のし烈な闘いを描き出すアクション大作です。監督さんは「キル・ビル」のクエンティン・タランティーノ監督。主人公の元奴隷役に「キングダム/見えざる敵」のジェイミー・フォックス。主人公を助ける賞金稼ぎ役に「イングロリアス・バスターズ」のクリストフ・ヴァルツ。主人公の妻役に「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」のケリー・ワシントン。彼女を所有する農場主役に「インセプション」のレオナルド・ディカプリオ。その黒人執事役に「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」のサミュエル・L・ジャクソン。

さてタランティーノ監督らしいスピード感のある「マカロニ・ウェスタン」です。話の内容も単純で、奴隷だった黒人が凄腕のガンマンとなり、彼を助けた頭の切れる白人との復讐劇。そんな単純な作品に個性の強い俳優陣。タランティーノ作品で二度のアカデミー助演男優賞を取ったクリストフ・ヴァルツ、「イングロリアス・バスターズ」でクリストフ・ヴァルツが演じたような狡猾な黒人執事のサミュエル・L・ジャクソン、この脇役二人が強烈な個性を発揮しています。悪の親玉にレオナルド・ディカプリオを配し、やや重めなテーマを背景に非常に軽妙に演出されています。また音楽も巧妙に配されています。ベートーベンの「エリーゼのために」がかかったときは少しニヤリとしてしまいましたね。

しかしタランティーノ監督らしいと言ってしまえばそれまでなのですが、やはり描写が過激すぎるかなと思ってしまいます。リアルだと言ってしまえばリアルだと思うのですが、作品の軽さが損なわれてしまうような気がします。それからやっぱり長すぎる気がするんですよ。基本的にそんなに観ていて疲れる作品ではないのですが、あと20分短く作ってくれたらいいなと思います。後半はやや引っ張りすぎかなって感じがします。

そう言えば「ジャンゴ」繋がりで三池崇史監督の「スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ」にタランティーノ監督が出演していたな。時間とお金のある方はご覧ください。


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