2012年05月29日

映画「HOME 愛しの座敷わらし」感想文



イオンシネマ富士宮での観賞です。

大手食品メーカーに務める高橋晃一(水谷豊)は盛岡の支社に転勤を命じられる。彼はあらかじめ郊外の茅葺き屋根の一軒家に目をつけ、家族でそこに越してきた。晃一の母親の澄代(草笛光子)は軽い認知賞が始まっており、妻の史子(安田成美)は広い家と田舎独特の近所付き合いで頭を悩ませ、娘の梓美(橋本愛)は東京の学校生活でいじめを受けていた。そんな女たちの苦悩をよそに晃一と息子の智也(濱田龍臣)は田舎暮らしを満喫していた。しかし家の中で変な物音や影などが見えるようになってくる。洗濯物が落ちていたり、掃除機のコンセントが何度も抜けたり、風呂を焚く薪が放り出されていたこともあった。そして梓美が何気なく覗いた鏡の中に子供の顔が写し出された。そんな中、息子の智也は近所で練習していたサッカーチームに興味を持ち、そのチームに入ることになった。そこで知り合った近所に住む少女から、高橋家が住む家には座敷わらしが居ついていることを知らされる。そして梓美に続き、智也や史子が座敷わらしの姿を目撃するようになる。史子はそのことでパニックに陥ったが、座敷わらしのことを知らされると不思議に落ち着いた気持ちになった。そして一家の風向きも変わり、家族に一体感が出てくるようになる。

直木賞候補にもなった荻原浩の小説「愛しの座敷わらし」を映画化した家族の物語です。監督さんは「相棒-劇場版2- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜」の和泉聖治監督。主演の地方に左遷されたサラリーマン役に同じく「相棒-劇場版2- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜」の水谷豊。その妻役に「歓喜の歌」の安田成美。娘役に「告白」の橋本愛。息子役に「映画 怪物くん」の濱田龍臣。母親役に「武士の家計簿」の草笛光子。

さて最近はすっかり「相棒」の杉下警部役がなじみになった水谷豊ですが、この作品ではどこにでもいるような家族を大事にしつつも世間に流され、周囲に気を遣う男性を演じています。そのギャップが一番の見所かもしれません。ギャップと言えば都会暮らしと田舎暮らしのギャップに悩む安田成美さん演じる奥さん役もなかなかでした。また岩手県の(おそらく遠野)の風景も本当にきれいで、田舎暮らしに憧れる感覚も大いに理解できます。

しかしほっこりした印象は非常に良いのですが、なんか全体的に印象が薄いんですよね。個々のエピソードが均等に割り付けられている感はあるのですが、なんか訴えてくるものが薄いように私は感じました。座敷わらしがきっかけで生き方が好転していくわけですが、今まで恐れていたものを、手のひらを返したように突然受け入れるのは唐突な感じがします。またジブリ的な効果もイマイチ違和感があったんですよね。

この映画を観る前に凹むことがあったのですが、観た後にはかなり緩和されていました。落ち着く一本だと思います。時間とお金のある方はご覧下さい。


◆清水落語王国のケータイサイト(PCでも見られます)
http://www.just.st/308297/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(PC版)
http://twitter.com/srakugo_now/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(モバイル版)
http://twtr.jp/user/srakugo_now/status  


Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:27Comments(0)映画

2012年05月22日

映画「テルマエ・ロマエ」感想文



TOHOシネマズ名古屋ベイシティでの観賞です。

古代ローマ帝国のハドリアヌス帝(市村正親)の時代。ローマの人々は「テルマエ」と呼ばれる公衆浴場で身体を洗い、仲間と語り合い、日々の疲れを取っていた。テルマエを設計・建築する技師のルシウス(阿部寛)は新しい浴場のアイデアに行き詰まり、他の技師たちに遅れをとっていた。アテネなどに設計の勉強をして周った彼の悩む姿を見て、友人のマルクス(勝矢)は人気のテルマエにルシウスを誘う。そこの中で見たものはルシウスの理想に大きく反するものだった。喧騒の中、ルシウスはお湯の中に潜り考えていた。そこでお湯の漏れていた穴にはまり、ルシウスはタイムスリップしてしまう。彼が再び現れたのは現代の日本の銭湯。昼間から風呂に浸かるおじいちゃんたちを見て彼はこれが奴隷の「平たい顔族」のテルマエだと勘違いする。しかし「平たい顔族」の公衆浴場の技術は、ルシウスにとって目新しいものばかりであった。古代ローマに再びもどったルシウスは、「平たい顔族」の銭湯を模倣したテルマエを造りこれが好評を博す。家の風呂で悩むと、またタイムスリップし「平たい顔族」の家風呂のアイデアを模倣した。そのタイムスリップした先には必ず漫画家志望の山越真実(上戸彩)の姿があった。ルシウスのアイデアはローマでの評判となり、ついにはハドリアヌス帝の耳にも入る。しかしそれはローマの政治や後継者争いにルシウスを巻き込んでいくことになった。

古代ローマ帝国の浴場設計技師が現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまう、ヤマザキマリの人気コミックを実写映画化したものです。監督さんは「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」の武内英樹監督。主演の設計技師役に「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」の阿部寛。主人公のタイムスリップした先に必ず現れる女性役に「あずみ」の上戸彩。古代ローマ帝国の皇帝役に「十三人の刺客」の市村正親。皇帝の有力後継者役に「次郎長三国志」の北村一輝。実直な側近役に「8マン すべての寂しい夜のために」の宍戸開。

さて普通に笑える作品に仕上がっています。MOVIXのオープニングアニメにあるように転げまわって笑う人はおろか、TVを見るように笑う人は映画館ではまずいないのですが、この映画は劇場が笑いにあふれていました。またキャスティングの素晴らしさもあります。メインキャラの濃い顔の人、平たい顔の人、良くこの人を選んできたなといった感じがします。個人的には銭湯の中のおじいちゃんたち。特に赤ら顔のおじいちゃん。役者なのかな?良い味を出していました。それから何と言っても阿部寛。こういったバカバカしいコメディーで大真面目な演技をさせたら現状右に出る人はいない気がします。この感じの阿部ちゃん、大好きです。

しかし話の進行が全体的に急ぎすぎな気がします。上戸彩演じる女性の役名が最後まで良くわからなかったりします。そしてすべてのことが上手く行きすぎのような…。もう少し「障害」みたいなものもあっても良かった気がします。またもう一回上戸彩さんの話になるのですが、彼女が演じる女性の存在がイマイチ不鮮明な気がします。それは役者個人の演技力が云々の話ではなく、演出側に問題がある気がします。

個人的には竹内力さんはローマ側の顔だと思うのだけどな(^_^;)時間とお金のある方は是非ご覧ください。


◆清水落語王国のケータイサイト(PCでも見られます)
http://www.just.st/308297/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(PC版)
http://twitter.com/srakugo_now/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(モバイル版)
http://twtr.jp/user/srakugo_now/status  


Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:19Comments(0)映画

2012年05月21日

映画「バトルシップ」感想文



MOVIX清水での観賞です。

自己中心的だが行動力には富むアレックス(テイラー・キッチュ)は、米海軍の軍人の兄ストーン(アレキサンダー・スカルスガルド)にハワイのバーで誕生日を祝われていた。そこに現れた美女サマンサ(ブルックリン・デッカー)をナンパするが、その経緯から警察沙汰になってしまう。サマンサがストーンの上官のシェーン提督(リーアム・ニーソン)の娘と知っていて怒ったストーンは、アレックスの人間性を叩きなおすため海軍に入隊させる。時を同じくして人類は別の太陽系に地球と極めて似かよった星を発見する。その星にコンタクトを取るため従来の何倍もの出力を持った通信設備を開発し、その星に向かって強烈な電波を送っていた。時が経ち、海軍に入隊したアレックスは海軍大尉となっていた。そしてナンパをきっかけにサマンサとは恋人同士になっていた。ハワイでは環太平洋の海軍が集結し、軍事演習が行われようとしていた。オーストラリアやマレーシアなどと共に、日本の海上自衛隊も、ナガタ艦長(浅野忠信)の自衛艦「みょうこう」を送り込んでいた。演習も始まろうとしていた時、宇宙から5つの飛行物体が地球に向かっていた。ハワイ沖に着水したその飛行物体はオアフ島周辺にバリヤーを張り、外からの侵入を出来なくした。バリアーの中にはストーンが艦長を務める駆逐艦や、ナガタの「みょうこう」など3隻の艦船がいた。彼らはその謎の物体にコンタクトを取ろうとする。

ハワイでの軍事演習中に謎のエイリアンとその母船に遭遇した参加艦が、地球存亡の危機に立ち向かうSFアクションです。監督さんは「ハンコック」のピーター・バーグ監督。主演の型破りの海軍将校役に「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」のテイラー・キッチュ。海上自衛隊の自衛艦の艦長役に「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」の浅野忠信。演習を指揮する米海軍提督役に「キングダム・オブ・ヘブン」のリーアム・ニーソン。主人公の部下役に「チアーズ3」の、と言うより歌手のリアーナ。

さてこの手の映画定番のCGを多用した映像を駆使した作りになっています。130分くらいというやや長めでありながらも、あまり考えなくて良い娯楽作品に仕上がっていると思います。やはりCGは良く出来ており、アニメーターさんたちの頑張りが見て取れます。また「マイティーソー」では比較的チョイ役といった浅野忠信も、かなり重要な役でキャスティングされており、日本人としては嬉しく思います。またタイトルの「バトルシップ(戦艦)」も物語の終盤で「なるほどね」と思わせ、そこでのエピソードもいかにもハリウッドらしさを感じます。

しかし予告編で感じたちょっと「ダメ」感も健在でした。考えなくても良い映画と言うのは、反対から見れば単純なストーリーと言うことです。観ていて主人公たちに心理的に追い込まれる部分もあまり見られませんし、なんか全てが順調に行く感じがするんですよね。また敵キャラの設定もあまり完成度が高い気がしません。彼らが攻撃をするか否かを判断する基準が最後までわからなかった気がします。スコープでの赤と緑の差は何なんだろ?その謎が自分には最後までわかりませんでした。まぁ全体的にツッコミどころは満載です。

エンドロールが終わってから、ちょっとしたストーリーがあります。これ続くの?とにかくエンドロールで帰らないでね。時間とお金のある方はご覧下さい。


◆清水落語王国のケータイサイト(PCでも見られます)
http://www.just.st/308297/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(PC版)
http://twitter.com/srakugo_now/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(モバイル版)
http://twtr.jp/user/srakugo_now/status  


Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:10Comments(0)映画

2012年05月14日

映画「タイタンの逆襲」感想文



シネマサンシャイン沼津での観賞です。

海の魔物クラーケンを倒してから10年。勇者ペルセウス(サム・ワーシントン)は息子と共に漁師の生活をしていた。クラーケンを倒した時に共に戦った妻には先立たれていた。しかしペルセウスは息子に勉強をさせ、漁を教えていたが、剣術など戦いに必要なものは何一つ教えていなかった。そんなペルセウスのもとに父親である全能の神ゼウス(リーアム・ニーソン)が訪れ、世界に再び危機が訪れることを告げていた。それはゼウスらの父でもある巨神クロノスが復活するであろうことだった。ゼウスは兄の海神ポセイドン(ダニー・ヒューストン)と息子の軍神アレス(エドガー・ラミレス)を引き連れ冥王ハデス(レイフ・ファインズ)のもとを訪れた。昔のように兄弟力を合わせクロノスを倒すべくハデスを口説きに行ったのだった。しかしアレスはハデスと手を組み、父であるゼウスを拘束し、伯父のポセイドンに瀕死の重傷を負わせた。一方息子をゼウスに会わせるため神殿を訪れたペルセウスは、そこで重傷を負ったポセイドンに出会う。ポセイドンは地下で起こったことを全て告げ、アンドロメダ女王(ロザムンド・パイク)のところにいるペルセウスと同じ半神の息子アゲノール(トビー・ケベル)と協力し、ゼウスを助け世界の危機を救うことをペルセウスに依頼した。そしてポセイドンは死を迎える。ペルセウスは再び世界の危機を救うべく戦いに向かう。

前作「タイタンの戦い」のキャストが再び集まり、ギリシア神話を題材にしたアクション大作。監督さんは「世界侵略:ロサンゼルス決戦」のジョナサン・リーベスマン監督。主演の勇者ペルセウス役に「アバター」のサム・ワーシントン。全能の神ゼウス役に「96時間」のリーアム・ニーソン。冥王ハデス役に「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」のレイフ・ファインズ。

さてギリシア神話を基にした映画ですが、非常に人間的な神々が魅力的な話です。神々のお間抜けな部分は出てきませんが、劇中のセリフでもありますが、その心の中は非常に人間的です。そういった神々の心の中の動きが良く表現されていると思います。また前作同様モンスターのCG処理はなかなかのものです。一つ目の巨人、なかなか良く出来ていると思いました。

ただギリシア神話の構図がわかっていないと、神々と人間の関係や、神々の中の関係が良くわからないと思いますね。それからやはり悪いヤツは徹底的に悪く表現して欲しいものです。悪者の心変わりはいいのですが、ずいぶんアッサリと心変わりしてしまったなと言った感じがします。また全体的に一本調子な感じがしてしまうのは僕だけでしょうか?

短い映画が基本好きなのですが、この作品はもう少し時間をかけても良かった気がします。時間とお金のある方はご覧下さい。


◆清水落語王国のケータイサイト(PCでも見られます)
http://www.just.st/308297/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(PC版)
http://twitter.com/srakugo_now/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(モバイル版)
http://twtr.jp/user/srakugo_now/status  


Posted by 清水落語王国Web管理人 at 01:06Comments(0)映画

2012年05月13日

第2回しみず寄席Jr.開催のお知らせ



第2回しみず寄席Jr.のお知らせです!

若手落語家さんの一人会として昨年から始まりました「しみず寄席Jr.」。第1回は春風亭正太郎さんをお迎えして大好評のうちに終了いたしました。「しみず寄席Jr.」は前売り1,000円と言うリーズナブルなお値段に設定し、気軽にお越しいただけるようになっております。時間的にも早く終わると思いますよ(^_^;)
それからチケットの枚数はわずかになるかもしれませんが当日売りもする予定です。当日売りは1,500円でお願いいたします。

さてさて出演いたしますのは、落語協会所属の二ツ目、古今亭菊六さんです。
二ツ目と申しましても、今年の秋には真打に昇進されます。二ツ目として落語を聴くことができるのも後わずかです。
その真打昇進ですが、なんと28人抜きの大抜擢。あの春風亭小朝師匠に迫る記録なのです。
古今亭菊六さんは東京都のご出身。
2002年に島田市出身の落語家の古今亭圓菊師匠に入門されます。
2009年にはNHK新人演芸大賞の落語部門大賞を受賞されます。
今年の2月に寿し鐵寄席さんでその実力を知り、是非次は清水で!と言うことでご出演依頼をさせていただきました。

第2回しみず寄席Jr.の詳細は次の通り。
日時:2012年6月16日(土) 開場は18:30 開演は19:00
場所:はーとぴあ清水 6階 多目的ホール 
 静岡市清水区宮代町1-1 (JR清水駅西口徒歩3分・清水税務署筋向い)

全席自由席 前売り1,000円 当日売り1,500円(当日売りの枚数は状況により変わります。お問い合わせください。)

チケットはすでに発売しております。

次のお店で販売しています。

○清水区
ベイプレスセンター 静岡市清水区青葉町3-13
リビングハウスこまつ 静岡市清水区真砂町3-9
combi(コンビ) 静岡市清水区袖師町1877-66
前澤労務管理事務所 静岡市清水区草薙杉道3-18-8
よし川 静岡市清水区蒲原3-5-18

○葵区
喫茶じゅげむ 静岡市葵区上石町2-9

順次、販売店を増やしていきたいと思います。そうしたらこのブログでお知らせしますね。

また、メールでの直販もやっています。
メールのやり取り&銀行振込でご購入できます。
まずは以下のアドレスにメールを下さい。メールにはアドレスとお名前を忘れずに!
shimizurakugo@mbn.nifty.com
(一部設定により件名や本文が文字化けするケースが報告されています。その場合は文字化けした部分を削除して下さって構いません。)

こちらよりお振込先等のご連絡をいたします。
まぁ、ヤフオクの取引みたいな感じになります。

お電話では事務局にお願いいたします。
054-351-0511
(株式会社ベイプレスセンター内)
土日祝日は留守番電話の対応となります。

どうぞよろしくお願い申し上げます。


◆清水落語王国のケータイサイト(PCでも見られます)
http://www.just.st/308297/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(PC版)
http://twitter.com/srakugo_now/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(モバイル版)
http://twtr.jp/user/srakugo_now/status  


Posted by 清水落語王国Web管理人 at 03:19Comments(1)落語

2012年05月11日

映画「スーパー・チューズデー ~正義を売った日~」感想文



MOVIX清水での観賞です。

4年に一度のアメリカの大統領選挙。民主党の予備選挙は二人の候補が選挙戦を戦っていた。オハイオ州の予備選挙、マイク・モリス知事(ジョージ・クルーニー)の選挙参謀ポール・ザラ(フィリップ・シーモア・ホフマン)の下で選挙戦略を担当しているスティーヴン・マイヤーズ(ライアン・ゴズリング)は相手陣営に対して絶対的な自信を持っていた。そんな中、若い女性ススタッフのモリー・スターンズ(エヴァン・レイチェル・ウッド)からの誘いをうけて、スティーヴンは彼女と一夜を共にしてしまう。さらに相手陣営の参謀であるトム・ダフィ(ポール・ジアマッティ)から話をしたいとの誘いが来る。スティーヴンはポールの指示を受けようとするが、飛行機で移動中のポールに電話が繋がらない。単独で判断したスティーヴンはダフィとバーで面会した。ダフィはスティーヴンを自分の陣営に引き込もうとしたのだ。きっぱり断ったスティーヴンだったが、独断で行動したことに後悔が残った。そしてモリーと寝た夜のこと、彼女の携帯電話にかかってきた電話がきっかけで、スティーヴンはモリーの口からある秘密を聞かされる。それはモリス知事に関するスキャンダルであった。

4年に一度行われるアメリカ大統領選の舞台裏に渦巻く陰謀や裏切りを、コンパクトかつ濃密に描いたスリリングな政治ドラマ。監督さんはこの映画でも民主党の予備選挙を戦う候補者役を演じているジョージ・クルーニー。主演の選挙参謀役に「きみに読む物語」のライアン・ゴズリング。上役の選挙参謀役に「パイレーツ・ロック」のフィリップ・シーモア・ホフマン。下で働く女性スタッフ役に「人生万歳!」のエヴァン・レイチェル・ウッド。

さて大統領選の予備選挙は今もアメリカで行われています。その中での駆け引きのドロドロさが上手く表現されています。多数派工作やスキャンダルのリーク、地位の確保、理想論と戦いに勝つために人を切り捨てていく冷徹さ。その中で性的なものや忠誠心という極めて人間的なものが存在しています。少し選挙に関わったことがある人なら、これほど大掛かりではなくても、スケールの小さい「それ」が何となく理解できると思います。

ただ全体的に抑揚の無さがこの作品でも感じられてしまうんですよね。後半はやっぱり盛り上がってくるのですが、観る側を惹きつけているかと言ったらそうでも無い感じがします。また選挙事務所で働く女性スタッフや女性記者、候補者の奥さんなど、何人かの女性キャストが出ていますが、あまり活きていない気がします。

フィリップ・シーモア・ホフマンは本当に存在感があるなぁ。この映画の中でも一番光っていた気がします。時間とお金のある方はご覧下さい。


◆清水落語王国のケータイサイト(PCでも見られます)
http://www.just.st/308297/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(PC版)
http://twitter.com/srakugo_now/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(モバイル版)
http://twtr.jp/user/srakugo_now/status  


Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:22Comments(0)映画

2012年05月07日

映画「Black & White」感想文



109シネマズ名古屋での観賞です。

CIAの腕利きエージェントのFDR(クリス・パイン)とタック(トム・ハーディ)は兄弟の闇商人逮捕のためのミッションに当たった。二人を確保するのが厳命だったが、兄を取り逃がし弟はビルから落下して死亡した。ミッションに失敗した二人は内勤を命じられる。仕事が薄くなった二人。タックは離婚し一人息子は母親が引き取っている。そこで出会い系サイトで見つけたローレン(リース・ウィザースプーン)と会うこととなる。ナンパ男のFDRは興味津々。悪い女に引っかかる可能性もあると、待ち合わせ場所の近所の貸しビデオ屋で待機する。一方ローレンは失恋したばかり。彼女の親友で下ネタ好きのトリッシュ(チェルシー・ハンドラー)は彼女に新しい男を見つけるために勝手に出会い系サイトに彼女のデータをアップしたのだった。待ち合わせ場所に現れたローレン。二人は話し合っている間にすっかり打ち解けて連絡先を交わす。タックと分かれたローレンは帰り際に貸しビデオ屋に寄る。そこにはFDRがいた。ローレンをナンパしたFDRだが、軽くいなされてしまう。彼女が気になって仕方ないFDRは、CIAの情報力を使ってローレンの素性を割り出す。しつこくローレンにまとわりついたFDRはデートの約束を取り付ける。職場で浮かれていた二人は、気になる女性の存在を告白した。そしてそれが同じ女性であることを二人は知る。

CIAの腕利きエージェント・コンビが挑むミッションと、CIAの人脈とハイテクを駆使して繰り広げる恋のさや当てとを絶妙に絡ませてスピーディーに描いたスパイ・アクション。監督さんは「チャーリーズ・エンジェル」のマックG。ナンパなCIAエージェント役に「アンストッパブル」のクリス・パイン。真面目な英国訛りのエージェント役に「インセプション」のトム・ハーディ。二人の間で揺れる女性役に「キューティ・ブロンド」のリース・ウィザースプーン。

さて恋敵から女性を護る(?)ため、組織のありとあらゆる力を使いまくるという比較的「ありえない」系の映画なのですが、マックG監督らしいアクションとおバカなラブコメをミックスさせた軽い作品に仕上がっています。軽妙なギャグと比較的直球の下ネタが、良い意味での「くだらなさ」をアピールしています。くだらないけど面白い、そんな深く考えなくて良いお気軽に観ることができる作品に仕上がっています。

ただその直球の下ネタが人によっては受け入れることが出来ないのかも知れませんね。また「チャーリーズ・エンジェル」みたいに私立探偵だったら許される派手なアクションですが、CIAはちょっとやりすぎでないの?まぁ007も同じようなものですが。それからナンパ男の過去と心の中の動きがもっとあれば良かったかなとも思います。

そうか恋の結果はそうなってしまうのか。うーん、個人的には残念だ。時間とお金のある方は是非ご覧下さい。


◆清水落語王国のケータイサイト(PCでも見られます)
http://www.just.st/308297/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(PC版)
http://twitter.com/srakugo_now/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(モバイル版)
http://twtr.jp/user/srakugo_now/status  


Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:11Comments(0)映画

2012年05月03日

映画「アーティスト」感想文



MOVIX清水での観賞です。

無声映画のスター俳優のジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は絶頂期にあった。公開された映画の舞台あいさつ後の映画館の外。記者たちに囲まれる喧騒の中、ちょっとしたアクシデントで若い女性ペピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)と出会う。ジョージの大ファンのペピーは彼に近づくために映画会社のエキストラになった。スタッフにアピールするため、ジョージと写った新聞を持って。そしてジョージの映画に共演することに成功する。撮影中、ジョージの楽屋に忍び込んだ彼女だったが、ジョージに見つかってしまう。ジョージはペピーに「女優になるなら特徴的な何かが必要だ」と彼女の口元にホクロを描いた。エキストラだったペピーだが、その内に端役をもらうようになって来る。一方スターとして君臨しつづけるジョージの前に映画の転機が訪れる。トーキーの登場だ。映像に音声が加わる「映画」をジョージは「こんなものはファンに受け入れられない」と笑い飛ばしたが、映画会社はサイレント映画の製作を止め、トーキーに移行することを発表する。そしてそこで売り出す俳優の中にペピーの名があった。ジョージは映画会社と決別し自費でサイレント映画の製作に取り掛かる。しかしそれには大変な資金を必要とした。


2011年アカデミー賞作品賞を取った作品です。サイレントからトーキーへと移り変わるころのハリウッドを舞台に、スター俳優の葛藤(かっとう)と愛を美しいモノクロ映像でつづるサイレント映画です。監督さんは「OSS 117 私を愛したカフェオーレ」のミシェル・アザナヴィシウス監督。主演の無声映画のスター役に「ブルー・レクイエム」のジャン・デュジャルダン。エキストラからトーキー映画のスターに登りつめる女性役に「ブラウン夫人のひめごと」のベレニス・ベジョ。運転手の役に「スパイダーマン3」のジェームズ・クロムウェル。

さて私たちアラフィフの世代でも馴染みが薄いサイレント映画。セリフが無いその世界はいろんなイメージを湧かせてくれます。それは少し落語に似た感覚があります。落語の噺家さんが語るセリフでスクリーンを思い浮かべるのと逆に、スクリーンを見てセリフを思い浮かべる感じです。それは結構楽しいものです。また映画賞をも取った犬の演技は本当に素晴らしい。助演男優賞を差し上げたい。確か雄でしたから。

ただ万人受けするかと言えばそうでないような気がします。イマジネーションを要求されることは人によって苦痛かもしれませんし、面白くなく感じると思います。それからここまでやるのなら完全なサイレントにしてもらいたかったなと少し思います。

単純なストーリーが、サイレントに慣れない今の人たちにも受け入れやすくなっていると思います。温故知新。時間とお金のある方は是非ご覧ください。


◆清水落語王国のケータイサイト(PCでも見られます)
http://www.just.st/308297/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(PC版)
http://twitter.com/srakugo_now/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(モバイル版)
http://twtr.jp/user/srakugo_now/status  


Posted by 清水落語王国Web管理人 at 08:59Comments(0)映画