2011年04月28日

映画「ザ・ライト -エクソシストの真実-」感想文



藤枝シネ・プレーゴでの観賞です。

葬儀屋の息子のマイケル(コリン・オドナヒュー)は父の仕事を手伝っていたが、心境の変化から神学校に進学する。そこでの成績は優秀なもので、目の前で起こった事故で死に行く被害者にも見事な対応をとっていた。しかし神への信仰の弱さを実感していたマイケルは、恩師のマシュー神父(トビー・ジョーンズ)の勧めでローマの悪魔祓いのカリキュラムを受けることtなる。そこの講師のザビエル神父(キアラン・ハインズ)は、疑念から講義に身の入らないマイケルに対して、正統派ではないが悪魔祓いに実績のあるルーカス神父(アンソニー・ホプキンス)の仕事を見てくるように提案する。マイケルはルーカス神父が妊娠した少女に対して行う悪魔祓いの儀式を目の当たりにするが、やはり疑念は拭い去れなかった。しかしその少女の悪魔祓いは困難を極め、その邪悪な力はマイケルとルーカス神父にも襲い掛かってくる。

実際に起こった話を元に、カトリックの正式な職業である悪魔祓いを行う神父を描いた作品です。監督さんは「1408号室」のミカエル・ハフストローム。主演の一流エクソシストの神父役に「ハンニバル」のアンソニー・ホプキンス。悪魔の存在に疑いを持つ神学生役にTVドラマなどで活躍しているコリン・オドナヒュー。エクソシストに興味を持つ女性ジャーナリスト役に「プレデターズ」のアリシー・ブラガ。

実話を元にしているだけのことはあって、「悪魔憑き」と呼ばれる現象を宗教上の観点や、「悪魔」の存在に疑念を持つ一般的な観点で現実的に捉えようとしていて、普通の悪魔祓いモノとは一線を画している作りとなっています。そしてこういった作りの中でもアンソニー・ホプキンスの怪演は絶大なもので、「その状態」におかれた時の眼力はやはり狂気そのものであります。

しかし「エクソシスト」という副題に大いに問題ありです。日本で「エクソシスト」といえばホラーの金字塔でもあります。この映画を「ホラー映画」として期待していくと、その単調ともいえるリアルさに大いに裏切られます。実際僕もそんな感じでしたので。

女の子と一緒にいって「きゃー!」みたいなシチュエーションはあまり期待できないですよ。時間とお金のある方はご覧下さい。


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2011年04月24日

映画「アレクサンドリア」感想文



MOVIX清水での観賞です。

4世紀のエジプトはアレクサンドリア。ローマ帝国の支配下の中のエジプトでもこの都市は文化的に高い位置にあった。哲学者でもあり天文学者でもあったヒュパティア(レイチェル・ワイズ)はその美貌と高い教養で弟子たちに慕われていた。弟子のオレステス(オスカー・アイザック)は彼女に求婚していたし、ヒュパティアの家の奴隷のダオス(マックス・ミンゲラ)は、彼女の講義を手伝っているうちに高い教養を身につけていた。その当時のアレクサンドリアは旧来のエジプトの宗教やユダヤ教、キリスト教が入り混じっていたが、キリスト教の勢力が大きくなっていた。キリスト教徒と古くからのエジプトの神をあがめる人たちの間でいざこざが発生し、キリスト教徒は古いエジプトの神を冒涜した。怒った人々はキリスト教徒に武力で訴えるが、数で勝るキリスト教徒は反撃に出て、古いエジプトの宗教を信じる人たちを、街の象徴でもある図書館に追い詰める。

ローマ帝国末期のエジプトを舞台に、宗教と科学の間で翻弄された女性天文学者ヒュパティアの数奇な運命を描く歴史ドラマ。監督さんは「アザーズ」のアレハンドロ・アメナーバル監督。主演の女性天文学者役に「ナイロビの蜂」のレイチェル・ワイズ。主人公の奴隷の役に「ソーシャル・ネットワーク」のマックス・ミンゲラ。主人公の弟子で後の街の長官役に「ワールド・オブ・ライズ」のオスカー・アイザック。

高い知性を持ち、その忠実な科学性を追い求めたゆえに非業の死を遂げる女性天文学者ヒュパティアの姿を、様々な役柄をこなすレイチェル・ワイズが情熱的に、またある種可愛げが無く演じています。また現在でも続いている宗教紛争が、すでにここら辺から始まっているという根の深さも見え隠れしています。また作品中に出てくる夜空も、4世紀の星空を分析して再現しているあたりも監督さんのこだわりが感じられます。

ただ作品全体の空気は重苦しく、ラストシーンやその後に出てくるクレジットもあまり良い気分になるものではありません。主人公の生き方がそういったものなのですので仕方ないと言ったら仕方ないのですが…。また作品中に主人公がコペルニクスの地動説やケプラーの惑星の楕円軌道、さらにはニュートン力学にまで言及してくるんですが、ちょっと行き過ぎのような気がするんですがね。まぁ実際の彼女はそこまで考えたかもしれませんが。

結構自由に科学できる「現代」は、かなりいい時代なんでしょうなぁ…。時間とお金のある方はご覧下さい。


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2011年04月18日

映画「SP 革命篇」感想文



シネマサンシャイン沼津での観賞です。

「革命」実行の日。警護4係の係長の尾形(堤真一)は部下の井上(岡田准一)を、本来就くべき任務を変更し野党の党首の警護任務に就かせた。国会では総理大臣の麻田雄三(山本圭)の不信任案が提出されようとしていた。要人を次々と国会議事堂へと護衛する4係のメンバー。しかしそれと同時に「革命」実行者たちはそのための準備を着々と進めていた。本会議が始まり、尾形に同調したSP達は衆議院棟の制圧にかかった。「革命」実行者たちは衆議院の制圧に成功し、本会議場に尾形を始めとしたメンバーが入場した。尾形達はテレビ生中継を利用して、閣僚たちの不正を次々と暴いていった。その頃井上ら4係のメンバーは、尾形から命じられ議事堂内の一室を探索していたが、異変に気づき行動を起こし始める。

岡田准一主演のテレビドラマ「SP(エスピー) 警視庁警備部警護課第四係」とプロローグ作品「SP 野望篇」の最終章となる劇場版第2弾です。監督さんは前作に引き続き波多野貴文監督が務めます。主演のSP役に「陰日向に咲く」の岡田准一。その上司役に「孤高のメス」の堤真一。事件を裏で操る与党幹事長役に「カイジ 人生逆転ゲーム」の香川照之。

前作の「野望篇」では、アクションが前面に出たスピード感ある作品に仕上がっていましたが、今回の「革命篇」では話の展開をじっくりみせる作品になっていると思います。もちろんアクションもあって、リアリティに富んだ体躯を使った殺陣が魅力的です。しかし今回は役者さんの演技力がみせてくれています。ダークな面を力強く見せた堤真一。ここで憎らしいまでのいやらしさをみせる香川照之。思慮深く見えて浅はかな官僚役の若手たち。主人公の岡田准一や何かと目立つ真木よう子よりも、こういった役者さん達がすごく光る作品だと思います。

しかし「革命」と言うタイトルにしては、内容が「革命的」でないのが残念に思います。結果的にこの国を変えるための行動ではなかったような気がするんですね。まぁ、世の中がこういった状況ですので余計そう感じるのかもしれませんが。また国会議事堂を制圧する説明に使われる、若手官僚たちが描いた図があまりにわかりづらい。もっと具体的に説明して欲しかったなぁ…。こういうのはCGでもOKだと思うのですが。

細かい所はともかくとして、面白く観られた一本でした。時間とお金のある方はご覧下さい。


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2011年04月15日

映画「塔の上のラプンツェル」感想文



TOHOシネマズ名古屋ベイシティでの観賞です。

ある国の国王夫妻は国民から大変慕われていた。王妃が身ごもった時、大変な病気にかかり生死の境をさまよっていた。国王の命令で魔法の金色の花を探すよう命令を下したのだが、花の魔法の力で若返りつづけている女・ゴーテルのよって隠されていた。しかしゴーテルのミスにより兵士に花は発見され。王妃は病気から立ち直り女の子を出産する。しかもその女の子の髪の毛には花の魔力がそのまま乗り移っていた。そのことに気が付いたゴーテルは、女の子を誘拐し、高い塔の上に幽閉した。そして18年間、ゴーテルはラプンツェルと名付けられた女の子を育ててきた。彼女の髪に宿った魔法により若返りながら…。一方、国の城にフリン・ライダー一味が泥棒が入り、ティアラを盗まれてしまう。フリンは逃走中に偶然塔を見つけ逃げ込み、ラプンツェルと出会う。

「髪長姫」の呼称で知られるグリム童話のヒロイン、ラプンツェルを主人公に、自由自在に操れる驚くほど長い彼女の魔法の髪に秘められた謎と旅を描くアドベンチャー・アニメーション。「ボルト」のバイロン・ハワードとネイサン・グレノが共同で監督を務めています。

まずはなんと言っても「頑張った」アニメーターさんを賞賛したいと思います。動き、影のつけ方、リアルながらもアニメの域を逸脱しない登場人物の設定。見事だったと思います。またディズニーらしさもちゃんと登場してくる馬のキャラクターの中に活きています。また屋根を伝い盗みにはいるくだりや、塔の中にお姫様が幽閉されている辺り、「カリ城」のエッセンスがあると思います。正直これは悪くは捉えませんでした。こういうのを正しい「オマージュ」というんだと思います。

しかし個人的にはミュージカル仕立ての展開はどうも好きになれません。タモリさんがよく「見ていてこっちが恥ずかしくなる」と言いますが、私もそういった感じ方をするほうなのでやっぱり恥ずかしくなってきます。

本当に特上レベルの素晴らしい技術のCGアニメなのですが、エンドロールの手書き風の画を見て、何となくホッとしてしまうのは私が古い人間なのでしょうか?時間とお金のある方は是非ご覧下さい。


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2011年04月12日

東日本大震災チャリティー・第5回しみず寄席のお知らせ

第5回しみず寄席のお知らせです!



今回のしみず寄席は3月11日に起こりました東日本大震災チャリティーとして開催いたします。
私も清水落語王国として何かできないかと模索していましたが、国王始めとして御前会議で今回の企画が決定いたしました。
この第5回しみず寄席の収益金を、静岡新聞社さんを通して義捐金として被災地に送ります。

さて出演いたしますのは、お馴染み清水区出身の春風亭百栄師匠。
そして百栄師匠からご紹介いただきました、きんじさんです。
きんじさんは元落語家さんで、新作落語「東北の宿」の作者でもあります。現在は腹話術師として東洋館などで活躍されております。
きんじさんは今回の震災で大きな被害を受けた宮城県出身で、ご実家も被災されたそうです。今回は腹話術だけでなく、落語も披露してくれるのではと期待しています。

第5回しみず寄席の詳細は次の通り。
日時:2011年5月11日(水) 開場は18:30 開演は19:00
場所:「UPSTAIRS(アップステアーズ)」 2階
 静岡市清水区真砂町1-20(JR清水駅西口徒歩2分・グルメ通り沿い)

全席自由席 2,000円 前売りのみの販売です。

すでにチケットは販売開始しております。

次のお店で販売しています。

○清水区
UPSTAIRS(アップステアーズ) 静岡市清水区真砂町1-20
リビングハウスこまつ 静岡市清水区真砂町3-9
combi(コンビ) 静岡市清水区袖師町1877-66
前澤労務管理事務所 静岡市清水区草薙杉道3-18-8
よし川 静岡市清水区蒲原3-5-18

○葵区
喫茶じゅげむ 静岡市葵区上石町2-9

また、メールでの直販もやっています。
メールのやり取り&銀行振込でご購入できます。
まずは以下のアドレスにメールを下さい。メールにはアドレスとお名前を忘れずに!
shimizurakugo@mbn.nifty.com
(一部設定により件名や本文が文字化けするケースが報告されています。その場合は文字化けした部分を削除して下さって構いません。)

こちらよりお振込先等のご連絡をいたします。
まぁ、ヤフオクの取引みたいな感じになります。

お電話では事務局にお願いいたします。
054-351-0511
(株式会社ベイプレスセンター内)
土日祝日は留守番電話の対応となります。

更なる被災地救援のため、微力ではありますが支援したいと思います。
凹んだ気持ちを盛り上げるためにも、是非お越しください(^^)


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2011年04月02日

映画「英国王のスピーチ」感想文



シネプラザ・サントムーンでの観賞です。

王子でありながら幼い頃より虐待を受けていたアルバート(コリン・ファース)は、成人しヨーク公となってからも吃音に悩んでいた。皇太子であるアルバートの兄デイヴィット(ガイ・ピアース)の女性遍歴に悩みを抱いていた父親の英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)は、自分を継ぐものとしてアルバートに厳しく接していた。アルバートの妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、夫の吃音を矯正するため、権威ある医者などに夫を通わせ治療を試みていたが、いずれも上手く行かなかった。そしてエリザベスはハーレー街の発音矯正の専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)を訪ねる。ライオネルは相手がヨーク公と知っても、自分のペースで治療することにこだわる。ライオネルの王族を王族とも思わない言動と奇抜な治療法に反発するアルバートだが、ライオネルが録音したアルバートの本の朗読では吃音が発生していないことにアルバート自身が驚くこととなる。

吃音に悩むジョージ6世の王室内の悩みと、第二次大戦に向かっていく自国イギリスのへの悩みを描いた作品です。監督さんは「ヒラリー・スワンク IN レッド・ダスト」のトム・フーパー。主演の英国王役に「ラブ・アクチュアリー」のコリン・ファース。その妃役に「アリス・イン・ワンダーランド」のヘレナ・ボナム=カーター。吃音矯正の専門家役に「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」のジェフリー・ラッシュ。

さて現英国王のエリザベス2世の父親ジョージ6世に関する物語です。王族のプライドを持ちながらも、自身の器の大きさを決めつけて内向的に悩む姿をコリン・ファースが素晴らしく印象的な演技で訴えかけています。また妃役のヘレナ・ボナム=カーターさん。この人もジョニー・デップ同様「かぶりモノ」系の、「普通じゃない」役の多い人ですが、こういった落ち着いた演技も素晴らしいです。作品全体の作りも、笑いをところどころちりばめつつ、緊張感も持続させた展開となっています。

そういった反面、ずっと続く緊張感により抑揚がなくなってしまった感が否めません。歴史的な背景やジョージ6世の人物像に興味がないと作品にのめりこめないかもしれません。

王様も一人の人間であることを一方ではシリアスに、一方ではコミカルに描いた秀作だと思います。時間とお金のある方は是非ご覧下さい。


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