2011年03月27日

映画「幸せの雨傘」感想文



シネプラザ・サントムーンでの観賞です。

ジョギングと他愛のない詩を書くことを日課としている主婦スザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)。しかし彼女はフランス屈指の雨傘工場の娘として産まれたお嬢さん育ち。彼女の夫のロベール(ファブリス・ルキーニ)は、その雨傘工場の社長をしているが、非常に封建的な性格。夫妻には勝気な性格の娘ジョエル(ジュディット・ゴドレーシュ)と芸術家肌の息子ローラン(ジェレミー・レニエ)がいた。ロベールが経営する工場は労使紛争が勃発しており、働く人たちの不満は爆発し、ストライキ寸前の状態になっていた。労働側の不満を力で押してきたロベールだが、その経営実態は自分本位なモノであり、秘書のナデージュ(カリン・ヴィアール)とは不倫関係にあった。そして労働側は社長のロベールを監禁してしまう。スザンヌは「旧知」の左派市長ババン(ジェラール・ドパルデュー)を訪ね、仲介を頼む。彼の仲介は功を奏しロベールは開放される。しかし直後心臓発作で入院してしまう。労使紛争が収まらない中、ババンは一時的にスザンヌが経営者になることを提案してくる。

ジョギングが日課の裕福な妻が、心臓発作で倒れた夫の代わりに雨傘工場を任されたことで意外な才覚を発揮していく人間ドラマ。監督さんは「8人の女たち」のフランソワ・オゾン。主演の社長夫人役に「シェルブールの雨傘」のカトリーヌ・ドヌーヴ。その夫役に「バルニーのちょっとした心配事」のファブリス・ルキーニ。主人公の妻との過去がある市長役に「あるいは裏切りという名の犬」のジェラール・ドパルデュー。

さてお高くとまっているとの評価が時々あるカトリーヌ・ドヌーヴではありますが、今回の役柄はお嬢さん育ちの社長夫人と言う役柄で、そのイメージもプラスに出てきています。そして存在感も圧倒的です。箱庭の中に囲まれた女性が、社会に目覚め、その人間的な魅力に周りがどんどん引き込まれていく展開ですが、その過去も実に興味の引くものとなっています。展開もそんなに難しくなく、フランス映画にしては観やすい作りになっています。

まぁ映画ですのであまりグズグズ言いたくない部分ではありますが、あまりに順風満帆な展開に「そんなに上手く行くのかいな?」って感じも正直あります。また女性賛歌であるが故なのでしょうが、男の役回りが少々「力弱い」のも、見ている男として少々情けない部分があります。

片意地張らずに観て、最後は意外とスッキリする、気持ちのいい一本だと思います。時間とお金のある方は是非ご覧下さい。


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2011年03月20日

映画「ツーリスト」感想文



109シネマズ名古屋での観賞です。

フランスはパリ。カフェに向かうエリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)には警察の尾行がついていた。地元警察の向こう側にはスコットランドヤードのジョン・アチソン警部(ポール・ベタニー)の姿があった。彼らの目的はエリーズの恋人で、ギャングの資金を奪い、多額の税金を滞納しているアレキサンダーという男だった。そのアレキサンダーよりメッセージが届き、そこには二つの指示があった。一つはベニス行きの列車に乗ること。そしてもう一つはその列車の中でアレキサンダーに体格の似た男をたらしこむことだった。妻を失い、そのことを忘れるため旅をしていたアメリカの数学教師フランク(ジョニー・デップ)はその列車に乗り合わせていた。彼の前に姿を現したエリーズにフランクは心を奪われる。

ハリウッドを代表するトップスター、ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーの初共演が実現したミステリー作品です。監督さんは「善き人のためのソナタ」のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督。主演の謎の多い女性に「トゥームレイダー」のアンジェリーナ・ジョリー。冴えないアメリカ人役に「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」のジョニー・デップ。

さて当然ながらジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーを中心に話は動いていくわけですが、特にアンジー姐さんは特にキレイに撮られていると思います。ベニスのホテルのテラスでの映像なんかは、夜の水面の反射光の効果を上手く使って、白黒映画の名作みたいな感じに撮られていてすごく印象的でした。またジョニー・デップもやや太った感じで、冴えない数学教師の役作りを見事にやってきたなといった感じでした。

しかし期待していたような早いアクションがなかったのが残念です。アンジー姐さんを使ってきていて、そういった場面もたくさんあるのにもかかわらず非常にもったいない気がします。またストーリーも非常に単調ですし、演出も「あんな尾行をする警察はいない」と言った感じで薄っぺらい感じがしました。ドナースマルク監督は「善き人のためのソナタ」がいい映画だったのに、ちょっと残念です。

イタリアのベニスの街がすごくきれいに撮れていました。一度行ってみたいと思ってるんですがね。時間とお金のある方はご覧下さい。


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2011年03月19日

映画「シチリア!シチリア!」感想文



静岡シネ・ギャラリーでの観賞です。

シチリアの片田舎の貧しい家に生まれたペッピーノ(フランチェスコ・シャンナ)。彼はムッソリーニのファシズム政権下でファシスト党員とマフィアが横行する中で幼い頃を過ごしたが、イタリアの片田舎らしい陽気な大人たちに囲まれて楽しく過ごしていた。イタリア敗戦後、そんな幼少を過ごした彼は共産主義に傾倒していくが、普通の男の子らしく近所の美しい娘マンニーナ(マルガレット・マデ)と恋に落ちる。しかしその時も牛を連れて牛乳を売って歩くような貧しい生活を続けていた彼との関係は、マンニーナの親に強く反対される。しかし半ば強引に結婚した二人は、死産も経験しながらも子宝に恵まれていく。そしてイタリア共産党の中でペッピーノの立場も強いものとなっていく。

「ニュー・シネマ・パラダイス」で知られるイタリアの巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が自らの経験を基に、故郷シチリアを舞台に描いた作品です。主演に期待の新星フランチェスコ・シャンナ。その妻役にトップモデルとして活躍するマルガレット・マデ。チョイ役でモニカ・ベルッチも出ています。

さてイタリアの片田舎を舞台にして、一人の人間の生き方と、彼を取り巻く親や妻、子供たちの姿を活き活きと描かれています。またシチリアの街の風景も、人間同様明るく魅力的に撮影されています。特に気にっているのが、街中を走る古いイタリアの小型車たちです。イタ車らしい小粋な可愛らしい車が走り回っています。コレがラストの伏線だったのには少し驚きましたが。そしてそのラストも「そう来たかいな!」と思わせるものでした。そしてラストカット、心温まる素晴らしいカットだったと思います。ラスト10分で強烈に締めているところもジュゼッペ・トルナトーレ監督の手腕が光ってると思います。

ただスクリーンが小さかったせいもありますし、日本公開での予算が少なかったのか、字幕が非常に見づらかった。イタリア語ですので、字幕が分からないとほとんど何を言っているのか理解できません。そのせいもあって、序盤からラスト寸前までの展開がほとんど予測の域に留まってしまったのが非常に残念な気がします。また「そう来たか」というラストも、僕は気に入っているのですが、「何それ」と思う人もいると思いますね。

チラシでは「感動巨編」となっていますが、少し違うかな。でもいい映画だったと思います。終わりよければ全てよし。時間とお金のある方は是非ご覧下さい。


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2011年03月17日

映画「ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島」感想文



TOHOシネマズ名古屋ベイシティでの観賞です。

ナルニアの国の冒険から戻ってきた兄弟らは、上の兄ピーター(ウィリアム・モーズリー)と姉スージー(アナ・ポップルウェル)は渡米し、弟のエドマンド(スキャンダー・ケインズ)と末っ娘のルーシー(ジョージー・ヘンリー)はおじの家に預けられた。この家にはいとこのユースチス(ウィル・ポールター)がいたが、彼は居候で夢物語のような非現実的な話をする兄妹を疎ましく思ってた。ある日部屋に飾られていた海と帆船の絵を見ていたエドマンドとルーシーは、ナルニアのことを思い出していた。そこにやってきたユースチスは早速ケチをつけるのだが、その絵の海は徐々に動き出し、絵から海水が溢れ出した。部屋中を海水が溜まり、やっとの思いで水上に出た三人は目の前に現れた大きな帆船に助けられた。その中にはエドマンドとルーシーの旧友でナルニアの王カスピアン(ベン・バーンズ)と勇敢なネズミの戦士リーピチープ(サイモン・ペッグ)が乗っていた。彼らはナルニアの東の海に冒険の旅に出ていた。

C・S・ルイスの児童文学を映画化したファンタジー・アドベンチャー、「ナルニア国物語」シリーズの第3弾。監督さんは「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ」のマイケル・アプテッド。主演のナルニア国の王の4兄弟の末っ娘役に、シリーズを通して演じているジョージー・ヘンリー。そのすぐ上の兄役に同じくシリーズを通して演じているスキャンダー・ケインズ。いとこ役に「リトル・ランボーズ」のウィル・ポールター。ナルニアの国王役は第2章に引き続きベン・バーンズ。

さてシリーズの第3弾。今回は頼りになるお兄さんお姉さんの存在がなく、頼りない下の兄妹を中心に話が廻っていきます。しかも口悪いいとこが登場してくる訳ですが、このいとこが結構重要な鍵を握ることとなります。また今回も2Dで観ているのですが、3Dで観ると結構迫力があるんじゃないかという映像のつくりをしています。かなり自然なCGで、アニメーターさんはかなり頑張ったんじゃないかと感じます。またラストでは「こいつら」に鳴かされそうになったかという、ありがちなパターンにまんまとはまってしまいました。

第3弾なので「リピーター」が多いとは思いますが、ここから初めて観る人には、しょっぱな非常に設定が理解しにくい作りにはなっているなと感じました。また話が「順風満帆」に進んでいって、メインキャラ達の「試練」が少ないなぁと感じます。「ナルニア」は全体的に「ユルい」感が強い作品なのですが、まぁ「児童文学」だと思って目をつぶります。

少し重厚感が欲しいと思うのですが、子供がターゲットと考えるとコレでいいのかも知れません。時間とお金のある方はご覧下さい。


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2011年03月08日

映画「ヒア アフター」感想文



MOVIX清水での観賞です。

サンフランシスコの工場で働くジョージ(マット・デイモン)は、元は高名な霊能者だった。しかしその「仕事」に嫌気が差し、引退してしまった。兄は金儲けの手立てとして弟の復帰を望むが、ジョージは仕方ないものを除き拒みつづけた。その「能力」はジョージを孤独なものにしていた。
またリゾート地で休暇中に大津波に巻き込まれたフランスのニュースキャスターのマリー(セシル・ドゥ・フランス)は、九死に一生を得たが、そこでの不可思議な体験により、パリに戻ってからもキャスターの仕事に力が入らず、休養させられてしまう。休みの間に執筆活動をするのだが、政治的な内容から津波での体験の内容に変えたため、社会的信用を失ってしまう。
ロンドンに住む双子の兄弟ジェイソンとマーカス(フランキー・マクラレン/ジョージ・マクラレン)は、薬物依存の母親に育てられているが、ある日母親のお使いに行った兄のジェイソンは車にはねられ死んでしまう。また薬物からの厚生施設に入った母親からも離され、孤独な生活を送る。

「硫黄島からの手紙」のクリント・イーストウッドがメガホンを取り、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めた死と生をめぐるストーリーをつづるヒューマン・ドラマ。話の中心となる霊能者役に「ボーン・アイデンティティー」のマット・デイモン。フランスの女性ニュースキャスター役に「モンテーニュ通りのカフェ」のセシル・ドゥ・フランス。霊能者と料理学校で知り合う女性役に、ロン・ハワードの娘さんで、「ターミネーター4」のブライス・ダラス・ハワード。

さてスピリチュアルな題材を舞台にしてお話が進んでいくわけですが、別に幽霊が出てくるわけでも死者が現れて話をするわけでもありません。天災,事故,そして社会と自分の間のギャップに悩む人たちの話です。登場人物は能天気な人間はほとんどおらず、みんな何かしらの悩みを抱えてのこととなります。そうした社会と個人のギャップを、イーストウッド監督らしい穏やかなテンポで観客に訴えかけてきます。

しかしスピリチュアルな「媒体」を使用しているため、信じる信じないは別として、そういったことを「色眼鏡」をかけて観ている人には、その部分が大きく捕らえられて、本質が見えなくなってしまうのではないかと言った危惧がある作りです。人によっては観終わった後、「だから何?」と言った感覚が残るかもしれません。

観終わってからじっくり検証して欲しい一本だと思います。時間とお金のある方は是非ご覧下さい。


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2011年03月05日

映画「ウォール・ストリート」感想文



イオンシネマ富士宮での観賞です。

インサイダー取引による有罪で8年の刑期を終え、出所した天才投資家のゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)。しかし出所にあたり迎えに来るものはなく、過去の人となっていた。一方、ウォール街で働く証券マンのジェイコブ・ムーア(シャイア・ラブーフ)は、新しいエネルギー開発の投資をしてくれる投資家を躍起になって探していた。しかし彼の勤めるゼイベル社は、悪い噂の流布により株価が急激に下がり破綻に追い込まれ、社長のルイス・ゼイベル(フランク・ランジェラ)は自殺に追い込まれた。ルイスに拾ってもらい、才能を発揮させたジェイコブは大いに落胆し、ゼイベル社破綻の原因を作ったCS社の株価を下げる工作をする。ジェイコブが付きあっている恋人のウィニー(キャリー・マリガン)はゴードン・ゲッコーの娘であった。彼女は父親を毛嫌いしていたが、ジェイコブは彼女との婚約をきっかけにゴードンに近づく。

前作「ウォール街」から23年、同じ監督と主演俳優を配して新しい形のマネーゲームを描いた作品です。監督さんは「プラトーン」のオリヴァー・ストーン。主演のカリスマ投資家役に「サウンド・オブ・サイレンス」のマイケル・ダグラス。若い証券マン役に「トランスフォーマー」のシャイア・ラブーフ。その恋人役に「プライドと偏見」のキャリー・マリガン。

さてアメリカの金融危機の中、美味しい話と裏切りが激しく行き交うマネーゲームの中でうごめく人たちを描いています。ちょっとした噂で会社が破綻に追い込まれる、ライバル社の人間でも使えると思えばヘッドハンティングする、信頼されていると思いきやアッサリ裏切られる。そんな生き馬の目を抜くような世界が、この映画の中にあります。金の魔力に魅せられた男たちと、そういった男たちを見続けて嫌悪感を覚えながらも、惹かれていく女。そんなバランスが、ギスギス感の中にも人間的なものを感じさせます。

しかしわずかでも、現在の世界的不況の原因ともいえるアメリカの金融危機の知識が必要かもしれません。後は個人的な感想なんですが、ラストの父娘の邂逅ともいえるシーンが、僕にはどうも納得がいかない。こんなに簡単に許せるものなのだろうか?

とにかく「金、金」言う映画で、まぁそこが狙いなのかもしれないけれど、そこまで言うかねぇ…。時間とお金のある方はご覧下さい。


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2011年03月02日

映画「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」感想文



藤枝シネ・プレーゴでの観賞です。

昭和19年、サイパン島守備の日本軍は米軍の圧倒的な兵力の前に陥落しつつあった。7月7日、日本軍は総攻撃をかけることとなる。大場栄大尉(竹野内豊)率いる部隊もそれに加わる。そして日米両軍に多数の戦死者を出すのだが、大場大尉は生き残る。サイパン島の山中に逃れた大場大尉は、生き残ったわずかな兵力を率いてゲリラ的に米軍の捜索を撃退する。山中を移動していると民間人,軍人200名ほどが暮らす野営地に行き当たる。集団のリーダー大城(ベンガル)の「民間人を守って欲しい」という願いを断り、大場は米軍撃退のためにその場を立ち去るが、米軍機の空爆にあい、その野営地は大きなダメージを受ける。大場は闇雲に米軍を撃退するという考え方を改め、民間人や部下の命を守るためにどうすべきかを考えるようになる。

太平洋戦争の激戦地サイパン島で、たった47人の兵力で4万5,000人ものアメリカ軍を翻弄(ほんろう)し続け、アメリカ軍から「フォックス」と恐れられた実在の日本人、大場栄大尉の実話を映画化した戦争ドラマ。監督さんは「必死剣 鳥刺し」の平山秀幸監督。主演の陸軍大尉役に「さまよう刃」の竹野内豊。野営地で傷病者を看護する女性役に「花より男子ファイナル」の井上真央。やくざ風の一等兵役に「20世紀少年」の唐沢寿明。

さてサイパン島に居住していて、戦火の中を生き残った民間人を守るために戦った兵隊さんたちの話です。主人公の陸軍大尉が元地理の教師であったことをフルに発揮し、島の地形を利用した戦法で米軍を撃退した「戦略家」であることが伺えます。また当時の兵隊さんたちが植え付けられていた思想や流布された思い込みなどもよく表現されています。

ただややエピソード不足の感は否めません。最近ドラマなどでもなかなか良い味出している竹野内豊ですが、ここの不足のために今一つこの尊敬されるべき日本人の魅力が感じられないように思いました。もっと肉付けしていれば「硫黄島からの手紙」の栗林中将のようなキャラクターに仕上がるのに、と残念でなりません。

映画の出来そのものは、…な感じですが、間違いなく日本の近代史の一つであります。こういった人がいるということを今の日本人は知るべきです。時間とお金のある方はご覧下さい。


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2011年03月01日

第4回しみずお酒落寄席が開催されました



平成23年2月26日(土)、清水テルサで第4回しみずお酒落寄席が開催されました。
何度も言うようですが「お洒落寄席」と「お酒落寄席」をかけているんですよ(^^)

今回のご出演は三遊亭白鳥師匠、お馴染みの清水区出身の春風亭百栄師匠、そして講談の神田あおいさんのお三方。

神田あおいさんは平成14年に神田すみれ師匠に入門。平成20年に二つ目と昇進されました。
神田あおいさんには開演前のお忙しい時間、マイクチェック等をしていただきました。ありがとうございます。
今回の演目は「般若の面」。大店に奉公に行った娘が、旦那さんの悪戯で母親代わりに話し掛けていたおかめの面を、般若の面にすりかえられて、店を飛び出した娘を巡って起こる騒動。
しっかり声が出ていて力強い講談でした。

三遊亭白鳥師匠は旧清水市とは縁の深い新潟県の上越市のご出身。話はそれますが、私は某団体で上越市との交歓事業に関わっていたことがあり、かの地には何人もの知り合いがいます。白鳥師匠の噺のまくらにも「上越交歓」(上越市側からは「清水交歓」)の話が出たときには感慨深いものがありました。
白鳥師匠の演目は「マキシム・ド・呑ん兵衛」。老夫婦が営むつぶれる寸前の居酒屋「呑ん兵衛」。東京に出た孫娘は祖父母を心配し、銀座にあるフランスレストランの名店に祖母を招待します。そこで学んだことを、居酒屋で実践するのですが…。
白鳥師匠を聴くのは二度目なのですが、独特の言い回しも含めて、たたみかけるような攻めてきます。面白い。録音したものを聞くよりも、生で楽しみたい噺家さんです。

そしてお馴染みの春風亭百栄師匠。
百栄師匠は二席。演目は「片棒」と「天使と悪魔・静岡編」。新作の「天使と悪魔」は鈴本での師匠の真打昇進興行で聴いたことがありますが、寄席のコアなファンに通じる春風亭一之輔さんのくだりや「芝浜」のくだりがあるので、そこを分かりやすいようにアレンジしたものを「静岡編」として披露して下さいました。百栄師匠のお母さん(会場に見えておられましたが)が出てきたりして、お膝元のファンの皆さんを楽しませてくれました。

今回のお酒落寄席は「マキシム・ド・呑ん兵衛」「天使と悪魔」といった新作落語を前面に出していきましたが、いかがだったでしょうか?なかなか地方で新作落語を聴く機会がないので、少し変わった趣向として良かったんじゃないかなと感じました。

また来年のお酒落寄席もご期待ください。…たぶんあります!


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