2012年04月16日

映画「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」感想文

映画「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」感想文

TOHOシネマズ名古屋ベイシティでの観賞です。

1960年代、アメリカの南部ミシシッピー州。「奴隷」と言う言葉は使われなくなったが、相変わらず黒人への差別はひどいものがあった。黒人の女性たちは「メイド」として白人の家庭に入り、家事の手伝いをしていた。子守りはその中で大事な仕事の一つでもあった。メイドは自分の子供を他人に預け、白人の子供の面倒を見ていた。その街の若い女性たちは結婚&出産ブーム。しかし子供はメイド任せで母親としての愛情が不足していた。その中の一人スキーター(エマ・ストーン)は都会の大学から戻ってきて無職、しかも男っ気が無かった。友人のヒリー(ブライス・ダラス・ハワード)は知り合いの男性を紹介しようとしたが、彼女はまず仕事をすることが先決だった。地元の小さな新聞社に何とか就職し、家庭欄の質問コーナーを担当するようになる。そこで友人の家のメイドで家事に詳しいエイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)の知恵を借りることにする。元々メイドに大事に育てられ、大学で北側の差別の無い空気を感じたスキーターは黒人女性に対しての差別感が全く無かった。そんな中ヒリーの家でメイドをしていたエイビリーンの親友ミニー(オクタヴィア・スペンサー)が、ヒリーが普段使うトイレを使用したと言うことで解雇されてしまう。メイドたちの処遇に憤りを感じたスキーターは、メイドたちの声を本にし出版することを決意し、エイビリーンに協力を求めるが、自分の立場を危惧し難色を示される。

1960年代、人種差別が横行していたアメリカの田舎町に変化をもたらした実在の女性たちについて記したベストセラー小説を映画化した人間ドラマ。監督さんはメジャー作品では初めてメガホンをとるテイト・テイラー。主演の作家やジャーナリストを志望する若い女性役に「ゾンビランド」のエマ・ストーン。彼女に協力するメイド役に「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」のヴィオラ・デイヴィス。その友人のメイド役に「7つの贈り物」のオクタヴィア・スペンサー。彼女はこの作品でアカデミー賞助演女優賞を獲得しています。黒人差別をエスカレートしていく主人公の友人役に「ターミネーター4」のブライス・ダラス・ハワード。白人であるにも係わらず仲間外れにされる女性役に「ツリー・オブ・ライフ」のジェシカ・チャステイン。

さて肌の色に対する差別を取り上げています。この重たく奥底に存在しつづける「問題」を、ただ重たくだけでなく、コミカルにも仕上げています。また肌の色だけでなく、貧困層出身の白人に対する差別も取り上げています。比較的女性ばかりが出てくるこの作品で、女性特有の感情と言うのが溢れ出しているのが感じ取られます。またラストシーン。この悲しいにも関わらず、清々しささえ感じられるラスト。個人的にはほぼ完璧なラストシーンでした。

しかし基本的に長さを感じさせます。話を終結させるために必要なエピソードだとは思いますが、やや終わり際がしつこい気がします。また下ネタが少し多いかな。本来が重たいテーマなので、これくらいのストレートなガキっぽい笑いも目をつぶろうと思いますがね。

アメリカだけでなく、人の心の中に少なからず存在している色んな感情が凝縮されている一本だと思います。時間のある方はご覧下さい。


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Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:07│Comments(0)映画
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