2013年03月18日

映画「ストロベリーナイト」感想文

映画「ストロベリーナイト」感想文

藤枝シネ・プレーゴでの観賞です。

中野のアパートの一室で一人のチンピラが刺殺体で発見された。被害者の名前は小林充(金子ノブアキ)。警視庁捜査一課の姫川玲子(竹内結子)ら、姫川班のメンバーは捜査に当たる。しかし殺され方が酷似した事件が他にも2件おきていたのだ。そしていずれも被害者は同じ暴力団の構成メンバーだった。警視庁は関連のある案件と判断し、合同捜査本部を設けた。しかし姫川は他の事件と小林の事件に何となく違うものを感じていたのだ。そして偶然姫川はタレこみ電話を耳にする。それは小林を殺した犯人は柳井健斗(染谷将太)という青年だと言うものだった。姫川はそのことを入院中の直属の上司である今泉春男(高嶋政宏)に告げる。その名前に怪訝な顔をした今泉だったが、電話の件を誰にも言わないように姫川に釘を刺した。そして翌日、姫川は管理官の橋爪俊介(渡辺いっけい)から、柳井健斗の件に一切関わらないように命令される。それに納得のいかない姫川は、柳井健斗について調べはじめる。そして9年前に起こった事件にたどり着く。一方、構成員を殺された暴力団にはある抗争が起こりかかっていた。組織のトップである会長の龍崎神矢(石橋蓮司)は病に臥せっており、長くはない状況だった。暴力団内で跡目問題が起こりかかっていたのだ。そしてシノギの面でも対立が起こっており、幹部たちはピリピリとしていた。龍崎から目をかけられ、若いながらも頭角を現し幹部となっていた牧田勲(大沢たかお)は、古株の幹部らと対立しつつもトップに立つ野心を抱いていた。柳井健斗の自宅を割り出し張り込んでいた姫川だったが、一向に柳井健斗は帰宅しなかった。そこに一人の男が現れる。牧田勲だった。牧田に声をかけた姫川は柳井健斗との関係を聞き出そうとする。牧田は不動産会社の社員と称し、逆に姫川から情報を探ろうとした。

ノンキャリアから警視庁捜査一課の刑事にのし上がったヒロインを主人公にしたテレビドラマ「ストロベリーナイト」の映画版です。監督さんは「キサラギ」の 佐藤祐市監督。主演の女性主任刑事役に「ステキな金縛り」の竹内結子。主人公が率いる班を束ねる刑事役に「サヨナライツカ」の西島秀俊。捜査線上に浮かんできた悲劇的な過去を持った青年役に「悪の教典」の染谷将太。事件に関わる暴力団の幹部役に「ミッドナイト イーグル」の大沢たかお。

さて当初の2時間ドラマから興味を持って見ていたドラマ「ストロベリーナイト」を映画化したものですが、この作品のキモは個性的な刑事さんたちにあると思っています。ドラマでもレギュラーの俳優さんに加え、ノンキャリアから捜査一課長になった三浦友和さん演じる刑事さん、柴俊夫さんや今井雅之さん演じるマル暴の刑事さんが加わり、さらに厚みが増しているように思えます。また相変わらずのイラっとするまでに堅物で直感型の主人公の女刑事を演じる竹内結子さんと、対極にいる暴力団幹部の大沢たかおさんとの関係が、ラブストーリーではないまた違った人間関係にある男女に描かれていて観る側の興味を引きます。またドラマから微妙な人間関係を持った西島秀俊さん演じる刑事さんとの関係も切なさを持って観る事ができました。

ただドラマの頃から感じている「事件解決」の設定や展開には相変わらずの不満が残ります。基本的にこのドラマはそういったところが主ではないってことは重々承知しております。しかし刑事ものである以上、そのファクターはかなり重要なものを占めていると感じるんですよね。それが原作側にあるのか、製作側にあるのかは、原作を読んでいない自分にはわからない部分ではあるんですがね。それから主人公と違った観点から捜査する遠藤憲一さんの演ずる刑事や、事件解決のための必要悪を駆使する武田鉄矢さんが演じる刑事がドラマに比べて毒がかなり薄まっていることも不満です。それから刑事ドラマが映画化される際に、「警察内の悪」と言ったテーマに着地してしまうのが多いのはなぜなんでしょう?一般社会的には由々しき問題だと思うのですが、違う作り方はできないのでしょうか?

正直、一番最初の2時間ドラマを越える出来にはなかった気がします。時間とお金のある方はご覧ください。


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