2013年08月07日

映画「野蛮なやつら/SAVAGES」感想文

映画「野蛮なやつら/SAVAGES」感想文

シネプラザ・サントムーンでの観賞です。

カリフォルニア州ラグーナ。このリゾート地に三人の男女が住んでいた。植物学に長けた平和主義者のベン(アーロン・テイラー=ジョンソン)と元傭兵で好戦的性格のチョン(テイラー・キッチュ)、そして二人の共通の「愛する女性」の“O”ことオフィーリア(ブレイク・ライヴリー)の三人だ。ベンとチョンは幼馴染の親友、そして二人が「ビジネス」をしているところにオフィーリアが転がり込んできたのだ。ベンとチョンのビジネスは大麻の栽培だった。チョンが傭兵として世界を駆け回った時に出会ったアフガニスタン産の最高の大麻の種子をアメリカに持ち込み、大量に作付けしたのだった。そして植物の専門家であるベンが、品種改良によりさらに品質の良いものが提供できるようになっていた。そしてその品物は大麻中毒者だけでなく、医療機関にも納められていた。そうして手に入れた金を自分たちで独占するわけではなく、ベンの主義によりアフリカやアジアの人道支援にも充てられていた。そして取り締りをされないように麻薬捜査官のデニス(ジョン・トラヴォルタ)に袖の下を渡し、取り締りを緩くしてもらっていた。三人は大麻と性に奔放な日々を送っていたのだったが、彼らのビジネスを狙ってくるものがいた。それは女ボスのエレナ(サルマ・ハエック)が率いるメキシコの麻薬カルテルだった。三人のもとに残忍な動画を送り、「業務提携」を打診してきたのだった。チョンはカルテルとの交渉を断り自分たちだけで商売を続けることを主張するのだったが、ベンは自分たちの事業をカルテルにそっくり明け渡し、別の事業に手を出すことを主張した。カルテルとの会見の場に赴いたベンとチョンは、カルテルに事業の明け渡しを申し出るが、二人のノウハウが欲しいカルテル側はその申し出を一蹴する。こうしたことに嫌気がさした三人は、インドネシアに逃げようと計画する。しかし逃げる直前に、エレナの部下のラド(ベニチオ・デル・トロ)によってオフィーリアが誘拐されてしまう。

ドン・ウィンズロウ原作のベストセラー小説を映画化したものです。監督さんは「プラトーン」のオリヴァー・ストーン監督。主演の植物に詳しい平和主義者の役に「アンナ・カレーニナ」のアーロン・テイラー=ジョンソン。同じく元傭兵役に「バトルシップ」のテイラー・キッチュ。二人の恋人役に「ザ・タウン」のブレイク・ライヴリー。メキシコの麻薬カルテルの女ボス役に「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」のサルマ・ハエック。その幹部役に「チェ 28歳の革命」のベニチオ・デル・トロ。買収され便宜をはかる麻薬捜査官役に「パルプ・フィクション」のジョン・トラヴォルタ。

さて誘拐された恋人を救うために、二人の男が残忍な麻薬組織と戦う様を描いています。恋人が誘拐された二人の男のうちの一人は「平和主義者」の看板を下ろし、理想と現実の間で葛藤していく様がドラマチックに描かれています。また誘拐された恋人と、誘拐した女ボスとの「母と娘」のような関係が構築されていく様子もなかなか興味深いなと思いました。これを言っていいのかどうかわからないのですが、戦いに二つの結末が用意されています。どちらが好きかはともかく、その対比に驚かされますね。それからメインキャストよりもベニチオ・デル・トロ、ジョン・トラヴォルタ、サルマ・ハエックといった著名な役者さんたちが、力を出しているところに彼らの凄さを感じます。

しかし基本的に背景にある組織犯罪の怖さ、公的機関の汚職、そして良い事もしているとはいえ基本的に大麻で大きなビジネスが成功している設定は基本的に気持ちの良いものではありません。また登場する女性たちが基本的にわがままで、周囲の男たち(ある意味女もね)は振り回されて続けます。もう少しまともな女性もいてよかったんじゃないかなと感じたりもします。

やや長いかなと言った印象は残りますが、血が飛ぶのが比較的平気な人なら結構面白く観ることができると思います。時間とお金のある方はご覧ください。


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Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:04│Comments(0)映画
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