2013年07月11日

映画「俺俺」感想文

映画「俺俺」感想文

シネマサンシャイン沼津での観賞です。

プロカメラマンを断念した永野均(亀梨和也)は、大手家電量販店で働いていた。しかしそこはタジマ(加瀬亮)という上司にいじめられ、曲者の同僚たちに翻弄されるような職場だった。ある日、ハンバーガーショップで食事をしていた均は、隣に座ったいけ好かない男の携帯電話を盗んでしまう。そしてその携帯電話に、男の母親(高橋惠子)から電話がかかってきた。電話に出た均は、母親の話から彼女が息子を溺愛していることを察知する。均を息子と信じている母親に、事故で友人から借金をしていて困っているという話を切り出す。まんまと母親から90万円と言う金をせしめた均だったが、その後彼の周囲に奇妙なことが起こり始める。アパートに帰宅した均は、部屋の中に携帯電話の主の母親がいることに驚く。詐欺がばれたと思った均は90万円を返すことを申し出るが、母親の反応は彼の理解を超えていた。顔も姿もしゃべり方も違う均を息子だと完全に思っているのだ。状況をある程度察知した均は息子として振舞うのだが、どうもしっくりこない。均は別のマンションに住む実の母親(キムラ緑子)を訪ねたとき、彼の驚きは頂点に達する。実の母親の元には、姿かたちが全く同じな「もう一人の自分」が存在していたのだった。取り乱す母親をよそに、もう一人の自分は冷静に状況を把握しようとしていた。時間を置いて「もう一人の自分」と面会した均は、彼からマンションに以前も均と同じ姿をした人物が訪ねてきたことを知らされる。数日後、均のもとに「もう一人の自分」から連絡が入った。それは均よりも前に訪ねてきた男の連絡先がわかり、三人で会おうといったものだった。顔は同じ、しかし性格は全く違う三人だったが、「自分」なので妙にウマが合った。三人は頻繁に会って仲間意識を高めあっていった。

星野智幸の原作小説を映画化したものです。監督さんは「転々」の三木聡監督。主演のカメラマンを断念する家電量販店の販売員役に「映画 妖怪人間ベム」の亀梨和也。その職場の嫌味な上司役に「それでもボクはやってない」の加瀬亮。家電量販店の客で主人公に興味を持つ謎の女性役に「クワイエットルームにようこそ」の内田有紀。

さてこちらも好きな三木聡監督の作品です。ジャニーズの亀梨和也さんが主演にもかかわらず、単館系のやや地味な公開になっているのも面白く感じます。その亀梨和也さんが33役をこなしているのですが、基本的に「同じ」キャラクターが全く無いのも面白く思いました。33役なのですが、主になっている役は3役で、その3人ともが全て外見的に見分けがつき性格も違う部分が、結構ありがちな「もう一人の自分」映画との違いがあると思います。またクセのある職場の描写も三木監督独特の感じがありますね。それから三木作品に欠かせない俳優さんたちがこの作品にも多数出演しています。これがまた三木臭さをアップさせていますね。

細かい描写を気にする監督さんでは無いような感じなのですが、それでもやはり細かい突っ込みどころは満載です。まぁどうでもいいところは、夜にATMから出金すれば手数料引かれるだろ?とか。それ以外の結構大事なところでも社会的におかしいんじゃないかなといった部分は感じます。また落ちもあんまり意外性は感じませんでした。

やはり三木作品らしい独特感が受け入れられない人にはダメなんだろなと思いますが、個人的には面白かったと思います。時間とお金のある方は是非ご覧ください。


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Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:19│Comments(0)映画
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