2013年11月02日

映画「エリジウム」感想文

映画「エリジウム」感想文

TOHOシネマズ浜松での観賞です。

21世紀末より地球は荒廃していった。富裕層は汚染された地球での居住をあきらめ、スペースコロニー「エリジウム」を作りそこに住んでいた。富裕層はそこで穏やかに暮らし、さらには医療ポッドの開発で病気や怪我も瞬時に治療してしまうこともできる様になっていた。一方貧困層は地球の劣悪な環境の中で暮らしていた。2154年、ロサンゼルスで暮らすマックス・ダ・コスタ(マット・デイモン)は、エリジウム市民のジョン・カーライル(ウィリアム・フィクトナー)が経営する機械工場で働いていた。彼はその出勤途中、ちょっとした諍いで怪我を負い病院へ行くと、少年の頃に孤児院で一緒だったフレイ(アリシー・ブラガ)と再会する。彼女に恋心を抱いていたマックスはフレイにモーションをかけるが振られてしまう。彼女には重い病気にかかった娘がいたのだ。フレイは娘のことが最優先だったのだ。そんな中、工場でマックスは大きな事故にあう。機械を照射線に当てるブースに閉じ込められ、大量の照射線を浴びてしまったのだ。会社から強い薬を与えられ、残り5日の命を宣告され解雇されてしまう。まだ死にたくないマックスは昔の自動車泥棒をやっていた頃の仲間のスパイダー(ワグネル・モウラ)に頼み、エリジウム行きを懇願する。スパイダーはマックスに交換条件を出してきた。それはエリジウム市民の上層階級の頭の中にあるパスワードやID、エリジウムの知りうる情報を、マックスの頭の中に刷り込んでくるといったものだった。マックスは自分を解雇したカーライルにターゲットを絞る。一方エリジウムではちょっとした権力争いが起こっていた。防衛を担当するデラコート長官(ジョディ・フォスター)の力が拡大し、総裁の地位を脅かすようなところまで来ていた。総裁を失脚させようと企んだデラコートはカーライルに相談した。カーライルはエリジウムのシステムを再起動し、組織を再構築することを提案した。そうカーライルの頭の中には現在の社会をひっくり返すようなデータが入っていたのだ。武装したマックスたちはカーライルの乗ったシャトルを襲撃する。

富裕層だけが居住を許されるスペースコロニー「エリジウム」を舞台に、虐げられた地球の住人の反撃をハードに描くSFアクションです。監督さんは「第9地区」のニール・ブロムカンプ監督。主役の残り5日の命を宣告された貧困層の若者役に「ボーン・アイデンティティー」のマット・デイモン。富裕層の社会でクーデターを狙う女性高官役に「フライトプラン」のジョディ・フォスター。主人公を狙う工作員役に「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」のシャールト・コプリー。主人公が思いを寄せる女性役に「アイ・アム・レジェンド」のアリシー・ブラガ。

「第9地区」という映画はなかなか面白く、その監督さんが豪華なキャストを使って製作したものなので興味がありました。まずはアクションシーンがなかなかわかりやすくて良かったと思います。基本的に「タイマン」が多く、変にスピード感を上げて訳のわからないアクションシーンが多めな昨今ですが、そこら辺の動きがわかりやすい。あまりキャラクターを増やさず、しかも隠密裏に動いているという設定が功を奏している気がします。またCGもなかなかのもので、銃でドロイドを破壊するシーンなどは小さく「おおっ」と声を上げてしまったほどです。そして近未来のロスは人間の強さや弱さ狡猾さなどが強烈に表現されています。監督の前作「第9地区」にも共通するような人間の生活感が良く出ていると思います。

ただ設定はややお粗末で、貧困層と富裕層が別の場所に住んでいて、富裕層は安穏に暮らし、貧困層はそのために劣悪な環境で働かされる、みたいな設定はSF映画でもつい最近あったような気がします。解りやすい設定は非常に大事なのですが、なんかこの作品独特の特徴がもう少しあっても良かったし、それならもっと単純に医療ポッドをめぐる話でも良かったのではないかと感じます。それから悪党が全体的に小粒。もっと巨悪がいても良かった気がします。

世間的な評価はそんな高くないようですが、僕は面白かったと思います。ややグロさもありますが、時間とお金のある方は是非ご覧ください。


◆清水落語王国Web管理人のTwitter(PC版)
http://twitter.com/srakugo_now/
◆清水落語王国Web管理人のTwitter(モバイル版)
http://twtr.jp/user/srakugo_now/status



同じカテゴリー(映画)の記事画像
映画「フローズン・グラウンド」感想文
映画「凶悪」感想文
映画「マラヴィータ」感想文
映画「グランド・イリュージョン」感想文
映画「そして父になる」感想文
映画「ゴースト・エージェント/R.I.P.D.」感想文
同じカテゴリー(映画)の記事
 映画「フローズン・グラウンド」感想文 (2014-01-14 00:01)
 映画「凶悪」感想文 (2014-01-13 00:01)
 映画「マラヴィータ」感想文 (2013-12-20 00:03)
 映画「グランド・イリュージョン」感想文 (2013-12-13 00:52)
 映画「そして父になる」感想文 (2013-11-25 00:20)
 映画「ゴースト・エージェント/R.I.P.D.」感想文 (2013-11-11 00:00)

Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:24│Comments(0)映画
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
映画「エリジウム」感想文
    コメント(0)