2009年06月30日

映画「レスラー」感想文

静岡シネ・ギャラリーでの観賞です。

1980年代後半に人気実力でトップだったプロレスラーのランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン(ミッキー・ローク)は、20年経って落ち目となっていった。それでもレスラー仲間からの人気は絶大で、彼と対戦することを喜んでいた。しかし生活は苦しく、トレーラーハウスの家賃も払えず、スーパーでバイトをする始末。しかしクスリで肉体を作り上げ、日焼けサロンで肌を焼きプロであることを作っていた。しかしクスリの副作用か、彼は心臓発作を起こしてしまい、医者からプロレスをやめるよう宣告されてしまう。弱気になった彼は馴染みのショーパブのストリッパーのキャシディ(マリサ・トメイ)や、自分を嫌っている娘のステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)に会って胸中を吐露するのだが…。

プロレスでしか生きられない不器用な男が、致命的な病を抱え途方にくれながらも生き様を見せつけるドラマです。監督さんは「ファウンテン 永遠につづく愛」のダーレン・アロノフスキー。主演のプロレスラーに「シン・シティ」のミッキー・ローク。主人公が想いを寄せるストリッパー役に「いとこのビニー」のマリサ・トメイ。娘役に「アクロス・ザ・ユニバース」のエヴァン・レイチェル・ウッド。

プロレスラーとしての旬は過ぎたにも関わらず、プロモーターやファンはその闘う姿を期待します。人気を博したプロレスラーの宿命といっていいでしょう。人前に出る時は“ザ・ラム”でありたい。しかしその裏にある人間としての気持ちもあるはず。ストリッパーと娘に対する気持ちなど。そんな不器用な男の多面性を非常によく描かれていると思います。ミッキー・ロークの渾身の演技も評価できます。また逆にストリッパーや娘が主人公に対する気持ちの変化も、観衆の気持ちを惹きつけていると思います。中途半端とも思えるラストシーンも、最終的にこの後の展開を観客自身が作り上げればよいのであって、この作品については僕は好感を持てました。

しかし再戦をした悪役レスラーが、主人公の体を気遣うのは解るのですが、もっと上手にヒールをこなして欲しかったと思います。役者さんが悪いのではなく、製作側にもう一工夫欲しかったように思われます。それから劇中に出てくるプロレスゲーム、初代ファミコンかっていうの(-_-;)

観ていながら、三沢光晴のことが何回も頭をよぎりました。彼が死んでいなかったら、観方はもっと違っていたかもしれません。いい映画でした。時間とお金のある方は是非ご覧下さい。


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Posted by 清水落語王国Web管理人 at 01:19│Comments(0)映画
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