2011年06月11日

映画「ダンシング・チャップリン」感想文

映画「ダンシング・チャップリン」感想文

静岡シネ・ギャラリーでの観賞です。

振付師ローラン・プティがチャップリン映画を観て、バレエダンサーであるルイジ・ボニーノをイメージして創られたバレエ「ダンシング・チャップリン」は1991年に初演された。映画監督・周防正行は、妻であるバレエダンサー草刈民代のダンサーとしての姿をフィルムに残すために、この「ダンシング・チャップリン」の映画化を進めはじめた。周防監督は作品の作者とも言えるローラン・プティのもとを訪れ作品の映画化に関するディスカッションをし、チャップリンに対するイメージを得るため、チャップリンの息子であるユージン・チャップリンのもとを訪れたりしていた。映画化が進むにあたり、東京の稽古場では草刈とルイジ・ボニーノを始めとしたそうそうたるメンバーが、舞台ではなく「映画」としてのバレエ作品に向けての稽古とディスカッションが進められていた。

「街の灯」「チャップリンの黄金狂時代」などチャールズ・チャップリン作品をフィーチャーしたバレエ作品「ダンシング・チャップリン」をテーマに、ドキュメンタリーとダンサーたちのパフォーマンスで表現した異色作。監督さんは「Shall We ダンス?」の周防正行監督。名バレエダンサーのルイジ・ボニーノや監督の夫人の草刈民代をはじめとした、バレエ界のそうそうたるメンバーが出演しています。

作品は製作にあたる周防監督の打ち合わせ風景や、ルイジ・ボニーノと草刈民代らのキツイ練習風景などが収められた第1章と、バレエ「ダンシング・チャップリン」を収めた第2章で構成されています。第1章の周防監督とローラン・プティの「作り手」としての戦いや、稽古場でのダンサー達の妥協を許さない練習風景が収められています。しかしやはり作品としての真髄は第2章にあります。これで引退するのかと思う草刈民世の動きと線の美しさも息を呑むのですが、ルイジ・ボニーノのとても60歳とは思えないダンスのキレと表現力は圧倒的です。またただの舞台をカメラで撮っただけでない、様々な角度から撮影された映像は、間違いなく「映画」であることを印象付けています。

バレエ入門書としての作品を目指したと周防監督は言っていますが、日本人にとってバレエのイメージである「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」以外の作品を素材として使って、果たして入門書と言えるのかなという疑問は少々残ります。まぁ映画作品ですので、バレエと映画の要素を併せ持ったこの作品の選択は無理はないと思うのですがね。そして作品の肝でもある第2章。当然ながらセリフはありません。チャップリン映画の馴染みの音楽や、バッハのパイプオルガンを用いた音楽はあるのですが、それが裏目に出ている感も否めません。実際そばで観ている人は寝息を立てていましたからね(^_^;)

それでも世界トップレベルのダンサーの美しい姿は一見の価値ありです。時間とお金のある方は是非ご覧下さい。


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Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:53│Comments(0)映画
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映画「ダンシング・チャップリン」感想文
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