2011年10月04日
映画「アジョシ」感想文

シネプラザ・サントムーンでの観賞です。
街の片隅で質屋を営むテシク(ウォンビン)。彼のもとには隣に住む少女ソミ(キム・セロン)が度々訪れ、テシクをおじさんと呼び慕っていた。ソミはクラブでダンサーをしている母親と二人暮しで、学校などでもイジメにあっていた。そんなソミはテシクにはいろんなことを話せたのだった。しかし無口でぶっきらぼうなテシクはソミに冷淡にあたっていた。ある日ソミの母親は付き合っている男と共に、ドラッグの元締めオ社長(ソン・ヨンチャン)の取引している「ブツ」を横取りする。取引の失敗に激怒したオ社長は仕事に荷担したマンソク兄弟の兄(キム・ヒウォン)を呼びつけ「ブツ」を取り返すように厳命する。マンソク兄弟はソミの母親が仕組んだことを突き止め、「ブツ」を隠したかばんがテシクのところにあることも突き止める。ソミとソミの母親を拉致したマンソク兄弟は、テシクを使い、自分を馬鹿にしたオ社長を破滅させるため計略を練る。その計略にまんまと乗せられたテシクは警察に逮捕される。その逮捕される間際、マンソク兄弟からの指示で乗ってきた車のトランクからソミの母親の死体が出てくる。それも驚くべき「処理」を施されて…。
2010年に韓国で公開され、その年のナンバーワンヒット作となり、韓国のアカデミー賞ともいうべき大鐘賞で主演男優賞を受賞したほか、計8部門にノミネートされたバイオレンスアクション。監督さんは韓国の新鋭イ・ジョンボム監督。主演の過去に傷を持つ元特殊部隊の男役に「ブラザーフッド」のウォンビン。事件に巻き込まれる隣の子供役に「冬の小鳥」で韓国のダコタ・ファニングと賞されたキム・セロン。
韓国の人気俳優ウォンビンを主演にした映画なので、現地でも話題だったとは思うのですが、なかなか良く出来ていると思います。主人公が隣に住んでよく遊びに来る少女とその母親への入れ込む理由と言うのが、ストーリー上結構曖昧な作品が多い中、ちゃんとその裏付けがされております。その他の部分でも「何故その人がそうするのか」と言う理由付けがそれとなくされていて、行動に真実感が出てきます。それにしても子役のキム・セロン、なかなかのものです。最近は洋の東西を問わずすごい子役が出現していますが、韓国にもいたんですね。
ただストーリーは正直日本の時代劇的なもので、展開が見え透いてしまう部分はあります。これも時代劇的なのですが、主人公と敵方の「用心棒の先生」的な凄腕との対決が、もう少し表現の仕方があった気がします。殺陣とフレーミングがイマイチなんですよね。もっと全体的な映像と体躯を使った激しいナイフ戦が見たかった気がします。また脚本なのか翻訳なのか、そうなった理由は定かではないのですが、主人公が悪党の親玉に発する「たとえ話」がわかりづらい。「明日を生きる貴様が今日を生きる俺に殺される」みたいな話は、その場で観客に理解できるものではないような気がします。
演出にわかりにくい部分は垣間見られるのですが、古典的ながら良く出来た一本だと思います。時間とお金のある方は是非ご覧下さい。
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Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:34│Comments(0)
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