2011年10月25日
映画「一命」感想文

シネマサンシャイン沼津での観賞です。
井伊家の江戸屋敷に元芸州広島藩福島家家臣の浪人、津雲半四郎(市川海老蔵)と言う男が現れ、お屋敷の一角を借り腹を切りたいと言う申し出があった。江戸幕府では旧豊臣系の大名を理由をつけて潰そうとする動きがあり、改易などで職を失う武士が増えていた。そういった武士が大名の屋敷の庭先で腹を切ることを告げると、その大名家で仕官できたり、金を与えて追い払ったりする「狂言切腹」が横行していたのだった。井伊家家老の斎藤勘解由(役所広司)は、半四郎の前に行き数ヶ月前にこの屋敷で起こったことを話し始める。その時、半四郎と同じ元広島藩士で千々岩求女(瑛太)という若い浪人が現れ、切腹をしたいと申し出てきた。狂言切腹横行の折、井伊家では金をつかませて追い返すようなまねはせず、実際に切腹の場を用意した。千々岩はその動きに狼狽するが、腹を切らなければならない状況に追い込まれる。千々岩は家老の斎藤に妻子に三両の金を無心した後、腹を切りはじめる。しかし千々岩の脇差は竹光であった。
1962年公開の小林正樹監督作「切腹」の原作になった滝口康彦の「異聞浪人記」を基にしたヒューマンドラマ。監督さんは「ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲」の三池崇史監督。切腹を申し出た元広島藩の浪人役に「出口のない海」の市川海老蔵。その娘役に「愛のむきだし」の満島ひかり。その夫で元広島藩の浪人役に「まほろ駅前多田便利軒」の瑛太。井伊家の江戸家老役に「十三人の刺客」の役所広司。
さて何かとお騒がせの市川海老蔵さんが主役のこの映画ですが、ストーリー的には正論と正論がぶつかって騒動に発達していくようなストーリーです。立場が変われば見方が変わる。「武家」の正論と「人間」の正論が正面を切ってぶつかっています。落ちぶれてしまったが、武士として人間としての意地を「役者」市川海老蔵は見事に演じています。やはり力量のある人だなと思いました。
今回も2D公開の映画館をわざわざチョイスして観てきましたが、観る前からこの手の映画を3Dにするコトに疑問がありました。まぁ三池監督らしいと言ったらそれまでなのですが、2Dで観る限りは3Dにして観るような映画には感じられません。個人的には日本の時代劇の殺陣は世界一だと思いますので、従来の方法で充分に迫力をスクリーンから出すことは十分に出来ると思います。そもそも殺陣だって、この映画よりも同じ三池監督の「十三人の刺客」のほうがかなり迫力がありました。それからCGがやや雑な感じがします。
キャラ設定では海老蔵さんの役は初老の設定なんですよね。瑛太さんや満島ひかりさんと「親子」というのはやや無理があるなぁ、やっぱり。時間とお金のある方はご覧下さい。
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Posted by 清水落語王国Web管理人 at 01:30│Comments(0)
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