2012年03月19日

映画「TIME/タイム」感想文

映画「TIME/タイム」感想文

MOVIX清水での観賞です。

未来の社会。特に病気でもなければ人間は25歳まで生きられるようになっていた。しかし25歳を過ぎると、そのままの姿で与えられた1年間の「時間」の中で、労働の対象として「時間」を得て、生活に必需とされるものを「時間」で支払う社会となっていた。そしてその「時間」が全て失われることは死を意味していた。その日を生きるために「時間」を稼いでいた青年ウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)は母親のレイチェル(オリヴィア・ワイルド)との二人暮し。そんなある日、バーで飲んでいたウィルの前にやたら羽振りの良い男が現れる。彼に残された時間は100年以上あった。スラムには「時間」を奪うギャングが横行しているため、ウィルはその男に注意するが聞き入れない。そしてその酒場にギャングが現れるが、決死の中ウィルはその男を助け出す。ヘンリー・ハミルトン(マット・ボマー)と名乗るその男は富裕層が住む街からやってきた男だった。彼はウィルにこの社会の裏の部分を告げ、長く生きることの不条理を説いた。そしてウィルが寝ている間に彼に自分の「時間」のほとんどを与え、自らは命を絶った。100年以上の時間を与えられたウィルは、母と共に富裕街に移り住むことを決めるが、支払いに「時間」を失った母親はウィルの目の前で「時間」を失ってしまう。ウィルはこの社会への復讐を誓った。

テクノロジーの発展によって老化を克服し裕福な者は永遠に生きられる一方、貧しい者は寿命のために働き続けなければならない近未来を舞台にしたアクション・サスペンス。監督さんは「ロード・オブ・ウォー」のアンドリュー・ニコル。主演のスラムの青年役に「ソーシャル・ネットワーク」のジャスティン・ティンバーレイク。主人公と行動を共にする富裕層の娘役に「マンマ・ミーア!」のアマンダ・セイフライド。彼らを追う公安の捜査官役に「ダークナイト」のキリアン・マーフィ。

「時は金なり」と言ったことわざがありますが、まさにそれを具現化したような作品となっています。時間に追われる切迫感。そして貧困層から搾取する富裕層への復讐、そしてやや「俺たちに明日はない」のボニー&クライドを彷彿させるようなストーリー展開が観る側をグッと引き寄せるような感覚があります。また彼らを追う捜査官も、そのような社会に矛盾を感じながらも、その「社会」を守るという使命を全うする生き方にも、主人公たちとは違う立場で共感を得られると思います。

しかしこの映画の評価を決めてしまうのが「設定」です。近未来の作品は非常に設定が重要なわけですが、非常に興味深く面白い設定ではあるのですが、それを煮詰めすぎて難解な部分が出てきている気がします。設定された社会で、富裕層が貧困層の「時間」を搾取していると言うのですが、作品を観ている限りどのような仕組みで「搾取」しているのかが自分にはわかりませんでした。また主人公の父親のくだりがあるのですが、その父親がそういった生き方をしたのかがほとんどわからなかったのも不完全燃焼感を増しているような気がします。

あまり突き詰めなければ面白く観ることができると思います。時間とお金のある方はご覧下さい。


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Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:01│Comments(0)映画
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