2012年08月30日

映画「苦役列車」感想文

映画「苦役列車」感想文

シネマサンシャイン沼津での観賞です。

小学生の時に父親が犯した犯罪が原因で一家離散した北町貴多(森山未來)は、中学卒業後日雇いの生活を続け、安アパートに家賃を延滞しつつ住み、タバコを吸い、酒を飲み、風俗に通う毎日。ある日、日雇いの仕事へ向かうマイクロバスの中で近くに座った日下部正二(高良健吾)が貴多に声をかけてきた。その日の昼食時にも一緒になった二人は同級生の年齢だったと知って急激に仲良しになる。日雇いの「先輩」で東京生まれの貴多は、九州から出てきた正二をいろんな部分でリードしていった。正二もやはり年齢が近いこともあって貴多と仲良くしていたが、彼の素行と趣味の違いから少しの距離を置いていた。ある日貴多は正二に好きな女の子がいることを言った。それは古本屋でアルバイトをしていた大学生の桜井康子(前田敦子)だった。直接康子に声をかけられない貴多は、正二の力を借りて康子と「友達」になることに成功する。貴多の読書好きも手伝って二人の仲は急激に接近していった。そして休まずに働いた実績を認められ、日雇いで雇われていた倉庫会社から「倉庫番見習」の立場に貴多と正二はなっていた。その頃から正二は貴多との付き合いが疎遠になってきた。正二に彼女ができたのだ。一方貴多は康子に遠距離恋愛の彼氏がいることを告げられる。同じ頃同じく日雇いから倉庫番見習になっていた高橋(マキタスポーツ)が事故で大怪我を負った。貴多は倉庫番の仕事から逃げ出し、元の日雇いのポジションに戻っていった。そして正二との仲はいよいよ遠くなっていった。

貧しい肉体労働青年の青春を描いて第144回芥川賞を受賞した西村賢太の小説を映画化したものです。監督さんは「マイ・バック・ページ」の山下敦弘監督監督。主演の日雇い労働の青年役に「モテキ」の森山未來。その友人の専門学校生役に「シグナル~月曜日のルカ~」の高良健吾。主人公が想いを寄せる女性役に「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の前田敦子。そして何故か橘家二三蔵師匠の姿が?!

さて最近バラエティー番組でも見かけるちょっと変わった作家の西村賢太さんの実体験に基づく小説を原作にしているのですが、そのダメな男を森山未來さんが強烈に演じていることが印象に残ります。森山未來さんは「モテキ」でもダメ男を演じていますが、それとは別次元のダメ男です。しかしこの作品のダメ男は「モテキ」の作られたダメ男と違い非常に現実的です。程度の違いはあるのかもしれませんが、自分の周囲にも似たタイプがいます。それはさておき、目つきからブリーフ一丁の姿までかなり印象深いです。またAKBもうすぐ卒業の前田あっちゃんですが、以前出ていた二番煎じのテレビドラマよりも一歩前進したような気がします。それからお笑いのマキタスポーツさん。GJでした(^^)

まぁあっちゃんの演技はそれなりに褒めたのですが、映画独自のキャラクターなんですよね。作品として本当に「取って付けた」ような感覚が拭えないんですよ。仮にこの部分がなくても作品として充分成立する気がするんですよね。あとは主人公のテンションと言うのか、それが全体的にフラットなんですよ。マキタスポーツさん演じるキャラが成功して主人公の心境の変化が見える部分はあるのですが、何となく淡々とストーリーが展開されていく感覚があるんですよね。

19歳だろ。酒とタバコはダメだろ。時間とお金のある方はご覧下さい。


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Posted by 清水落語王国Web管理人 at 00:09│Comments(0)映画
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